夫婦生活がある人の手術はどうする?今週の骨盤臓器脱手術は6例。

↑予約センターです・・・

 

おはようございます。

辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科の赤木一成です。

 

週末は「一週間の骨盤臓器脱手術記録」を書きます。

 

これはリアルタイムの記録ではありません。ちょっと前の記録です。

 

子宮脱や膀胱瘤の手術を6例行いました。

この週は、子宮脱+膀胱瘤の手術を6例行いました。

 

とくに大きなトラブルはなく、全員予定通りの退院です。

 

「もうしばらく入院していたい」と言って、退院が数日伸びた人がいました。

ベッドに空きがあったので、OKです。

 

本人によると、女手が少ないので、退院したらいろいろやらされるんだそうです(笑)

家事とか、買い物とか、孫の子守とか。

 

本人は「大変なんです」と言ってたけれど・・・

70代になっても、皆からこれだけ必要とされるって、幸せなんじゃないかなーと思った次第です。

 

性生活を重視する若い人の骨盤臓器脱手術はどうする?

 

6例のうち1例に、↑マンチェスター手術を行いました。

 

性生活がある40代の方で、子宮頸部が腫大延長しているタイプの子宮脱です。

子宮脱膀胱瘤にはいろんなタイプがありますが、40代の人はこのタイプが多いです。

 

そしてマンチェスター手術って、このようなタイプの子宮脱に向いてるんです。

工夫してやれば、膣壁に手を付けずに治せるので、性交障害を起こすリスクも低いです。

 

 

通常、性生活のある若い女性では、↑おなか側からの手術(経腹手術)が選ばれることが普通です。

膣壁に手を付けないから、性交障害を生じる可能性が低いためです。

 

ただしこの経腹手術では、おなかの中に一生メッシュを埋め込む必要があります。

 

この手術を受けても、5年とか10年くらいで夫婦生活を卒業するかもしれない。

その期間の「性生活の質」を保つために、体内に一生メッシュを埋め込むことを容認できるか?

 

それは本人とご主人の考え次第です。

正解があるわけではありません。

 

「それでもメッシュを使って構わない」という人であれば、経腹手術でいいと思います。

 

いっぽう、「性生活のある若い人」で、

「子宮頸部が腫大延長しているタイプの子宮脱」で、

「おなかの中に一生メッシュを埋め込むのは不安」というのであれば、

マンチェスター手術をおすすめしています。

 

異物(メッシュ)が不要で、

手術の侵襲(ダメージ)も小さく、

ほとんど再発無く治せており(十数例行って、膀胱瘤の再発が1例あり)

いまのところ性交障害のトラブルが起こったこともないからです。

 

(関連記事:子宮脱膀胱瘤の手術にはどんな方法があるの? どうやって選ぶ?

 

 

赤木一成 辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科