おはようございます。
辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科医師の、赤木一成です。
今回のお題は、「骨盤臓器脱手術を受ける患者さんが、要求できること・要求しても応じられないこと」です。
よろしければ、お付き合いください。
要求できること
治療方針は自分で決めたい
これは初診時のお話ですが・・・
まず、治療方針の選択です。
保存的治療(骨盤底筋体操・ペッサリー)希望か、手術希望か。
これは十分説明した上で、患者さんに決めていただきます。
こちらから手術を強要することは決してありません(参照)
希望する術式で手術を受けたい
手術を受ける場合、↑膣側から行う手術(経腟手術)希望か、おなか側から行う手術(経腹手術)希望か。
双方の長所短所を説明した上で、本人に選んでもらっています。
こちらに都合のいい術式を押し付けることは、決してありません(参照)
痔の手術も同時に受けたい
骨盤臓器脱を有する人は、↑肛門疾患(特に痔核)を合併していることがよくあります。
「痔も同時に手術してほしい」という希望があれば、申し出てくださいませ。
(ただし重症の痔は、別々に手術することをお勧めしています)
経験を積んだ医師に手術して欲しい
骨盤臓器脱手術には、経会陰手術と、経腹手術があります。
経会陰手術の術者は、すべて私がつとめています。
経腹手術は、すべて腹腔鏡チームが手がけています。
いずれも固定メンバーで、全国屈指の手術件数を手がけており、経験の浅い術者・チームに手術されることはありません(参照)
部屋のタイプを希望したい
「大部屋希望」
「個室希望」
部屋はどちらでも希望できます。
入院予約の時に、希望の部屋をリクエストして下さいませ。
要求しても応じられないこと
すぐに手術を受けたい
他にも手術を待ってる方がいらっしゃるので、順番をお待ちいただく必要があります。
ただし病状次第では、順番を優先的に繰り上げるケースもあります。
くわしくはこちらも参考にしてくださいませ。
短期入院で手術を受けたい
当院の骨盤臓器脱手術の入院期間は、一週間でやってます(参照)
たまーに、「3泊くらいでできませんか?」とか言ってくる人がいますが・・・
この入院期間は、膨大な経験を経て落ち着いた「現時点での最適解」なので、今のところこのリクエストには応じていません。
(将来的に技術が進化したら、もっと短縮していく可能性はありますけどね)
家族の付き添いができない
これは、認知症や超高齢の患者さん限定のお話です(それ以外の人は関係ないですよ。念のため)
こういった患者さんが入院する場合、「個室入院+家族付き添い」が必要です(参照)
もしこのような患者さんが一人で入院して、↑術後せん妄をおこしたり、あちこち歩き回ったり、転びそうになったりしたら、その人に看護師がつきっきりになってしまいます。
看護師は多忙なので、もしこうなってしまうと、他の業務ができなくなってしまいます。
だからこのような場合に、家族が付き添えないのであれば、入院をお断りさせていただく方針としています(これは当院だけでなく、おそらく全国どこの病院でも同じです)
時間外に説明してほしい・アポなしで主治医に会いたい
これは入院してからの話になりますが・・・
夜間帯とか休日とかだと、ふつう主治医も病院にいないので、家族が説明希望されても応じられません(緊急手術とかで急ぐ場合は別ですよ)
看護師の人手の問題もあります。
説明を行う場合には、看護師も同席する必要があります。看護師は書類を用意したり、面会室を準備したり、説明後に記録もしないといけません。
看護師が少ない休日や夜間帯に、こういう業務に人手がとられてしまうと、他の患者さんが危険にさらされてしまいます。
また、これは言うまでもないことかもしれませんが・・・
家族がアポなしで病院を訪れて、医師に面会を希望しても、応じることはできません。
医師は手術とか外来とか回診とか、常に忙しくしてますからね。
以上です。
もしここに無いリクエストがあれば、聞いてみてくださいませ。
当方にできる範囲で対応いたします。
赤木一成
辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科