子宮脱・膀胱瘤とは

 

子宮脱・膀胱瘤とは、子宮や膀胱が膣から脱出してくる病気のこと。

多くの場合、子宮脱と膀胱瘤は合併しているため、同時に治療を行うことになる。

 

女性の骨盤内には子宮・膀胱・直腸などがおさまっている。

分娩によるダメージや、女性ホルモンの減少などにより、骨盤を支える組織が弱くなってくることがある。

骨盤を支える組織が弱くなってくると、膣から子宮や膀胱が脱出してくることになる。

 


子宮の固定が弱くなり、子宮が膣から脱出してくる状態を子宮脱という。

 


膣と膀胱の間の壁が弱くなり、膀胱が膣から脱出してくる状態を膀胱瘤という。

 


子宮を取った人の場合、膣の固定が弱くなって脱出してくる状態を膣脱という。

脱出した膣の中には膀胱や小腸が入り込んでいる。

 

これらが合併していることもよくある。

子宮脱+膀胱瘤
(骨盤臓器脱の中でもっとも頻度が高い)

 


膀胱瘤+直腸瘤

 

子宮脱・膀胱瘤とは:解説

骨盤臓器脱とは、読んで字のごとく骨盤内にある膀胱・直腸・子宮などが膣や肛門から脱出してくる病気のことを言います。

脱出する臓器に応じて、膀胱瘤・直腸瘤・子宮脱・直腸脱などと呼ばれます。

これらの骨盤内臓器が膣や肛門から脱出してくる病気をまとめて、「骨盤臓器脱」と呼んでいるわけです。

この骨盤臓器脱は更年期以降の女性に多くみられ、非常に多くの女性がこの病気に悩んでいると考えられています。

ただし実際には、羞恥心のために医療機関を受診する方は一部の方に限られており、だれにも相談せずに我慢している方が大多数と思われます。

 

作成:赤木一成(辻仲病院柏の葉 医師)