膀胱瘤で残尿続くとどうなる?手術室は繁盛中。今週の臓器脱手術は8例

お酒の話ではありません・・・

 

おはようございます。

辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科医師の赤木一成です。

 

週末なので、「一週間の骨盤臓器脱手術記録」を書きます。

患者さんを特定できないよう配慮して、数週間前の日常を描写しています。

 

手術を8例行いました。

この週は、↑子宮脱+膀胱瘤の手術を7例行いました。

 

 

また、↑直腸脱の手術を1例行いました。

 

手術自体は、全員問題なく完了したんですけど・・・

子宮脱+膀胱瘤の方で、術後3日ほどたってから、38℃くらいの熱が出た人がいました。

 

原因は尿路感染でした。

 

骨盤臓器脱の術後に尿路感染を起こす人って、ときどきいるんですけど、対処は難しくありません。

内服の抗生物質を数日飲んでもらって、発熱は短期間で軽快したので、ほぼ予定通りに退院できました。

 

膀胱瘤で残尿が続くとどうなる?

 

↑これが、正常の膀胱の位置です。

 

↑子宮脱+膀胱瘤の状態です。

膀胱が下がってきています。

尿を完全に排出できなくなってるから、いつも膀胱内に残尿がたまっています。

 

 

この状態が続くと、この残尿に細菌が繁殖して、膀胱炎を起こしやすくなります。

 

骨盤臓器脱の人が「しょっちゅう膀胱炎を繰り返す」というのは、こんな現象が起こっているわけですね。

 

ひどい場合には、尿が↑「にごり酒」みたいに汚れている人もいます。

(お酒を飲んでる方がいらっしゃったらごめんなさい・・)

 

この状態で骨盤臓器脱手術を行うと、汚れた尿が原因となって、尿路感染による発熱とかを起こすわけです。

 

ということで、骨盤臓器脱を長年放置しておくと、ロクなことが無いわけですね。

手術を考えている方は、早目に受診したほうがいいですよ。

 

何年も放置しておいて、限界に達してから「今すぐ手術してほしい」というのは無理ですからね・・・(笑)

 

手術室は繁盛中(笑)

 

昨年の後半から、ワタクシの手術枠を、一部変更してもらいました。

患者さんにはあんまり関係ない話なんだけど、よろしければお付き合いください。

 

これまでは火曜日に骨盤臓器脱手術を3件やってたんですけど、ときどき回らなくなることがあったので・・・

(手術日には手術だけじゃなくって、イメトレ・説明・診察・術後管理・記録・反省など、たくさんやることがあるんです)

3件目を木曜に移してもらったんです。

 

おかげで以前より、動きやすくなりました。

こうやって素早く動けるところが、中規模民間病院の強みです。

 

大きな丸は、骨盤臓器脱手術の枠です。

ワタクシの場合、週7件がデフォルトです。

 

月曜・火曜における3件目の小さな丸は、「下半身麻酔(脊椎麻酔)でできて、それほど時間を要さない手術」の枠です。

重症でない直腸脱とか、TOT手術とか、直腸瘤経肛門手術とか、あとはたまに痔核手術とかですね。

 

もともとワタクシの手術予約は、ぎちぎちに入ってるんですけど・・・

当院では最近、消化器外科の手術も増えてきてるから、手術枠が限界に近くなってきています。

 

コロナ禍が始まった2020年は、手術枠が空いていたので、繁盛してるのはありがたいことなんですけどね(笑)

 

オペ室スタッフの皆様、いつもお世話になってます。

 

赤木一成 辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科