おはようございます。
辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科医師の赤木一成です。
今回は、私(医師)と患者さんの関わりについて、昔と今の違いをお話いたします。
よろしければお付き合いください。
地方で医師をやってた時期には、患者さんと濃厚な関係になりやすかった。
わたくし20年ほど前に、とある地方の病院に、何年間か勤務していたことがあります。
消化器専門の中規模病院です。
医師はほぼ全員が、消化器外科医でした。
たとえば検診で、便潜血陽性となって、患者さんが受診してきます。
大腸内視鏡を行って、大腸癌が見つかる。
大腸癌の手術を行う。
術後に、再発予防の化学療法を行う。
しばらくして肝臓に転移が見つかったら・・・
手術で取れそうなら、肝切除を行う。
手術で取れなさそうなら、血管造影検査を行い、動脈塞栓術を行う。
そして癌が再発して、末期癌になったら、末期緩和ケアを行う。
・・・これらの仕事を、外科医がぜんぶやっていました。
こうやって見てみると、いろんな仕事をやってました。
①大腸内視鏡、②大腸癌手術、③抗癌剤投与、④肝転移の切除、⑤血管造影&動脈塞栓術、⑥末期緩和ケア・・・
都会の大病院だったら、それぞれに専門家がいて、どれか一つに専念してます。
①消化器内科医、②消化管外科医、③化学療法科医、④肝胆膵外科医、⑤放射線科医、⑥緩和ケア医・・・
こんな感じです。
でも地方の中規模民間病院だと、3~4人の外科医がチームを組んで、これらの仕事を全部やるんです。
わたしもこれらの仕事すべてに、関わっていました。
初診から人生の最期まで、ずっと自分が付き合うことになるわけで、患者さんとは濃密な関係になりやすかったんです。
骨盤臓器脱外科では、患者さんとはあっさりした関係です。
でも今は、患者さんとはあっさりした関係です。
外来で2回くらい会って、
手術して、
術後の回診はまず何も起こらず、
退院後の外来でもほとんど何も起こらない。
どれもあっさり短時間で終わります。
テレビドラマのような関係を望む医師には、物足りないかもしれませんね。
でもこの方が、多くの患者さんに対応できるので、それでいいんだと思っています。
赤木一成 辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科