2020年の手術成績・・・今週の骨盤臓器脱手術は6例

↑骨盤臓器脱手術で用いられる器具です・・・

 

おはようございます。

辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科医師の赤木一成です。

 

週末なので、「一週間の骨盤臓器脱手術記録」を書きます。

 

これはリアルタイムの記録ではありません。ちょっと前の日常を描写しています。

 

子宮脱膀胱瘤の手術を6例行いました。

この週は、子宮脱+膀胱瘤の手術を6例行いました。

全員が大きなトラブル無く経過し、だいたい予定通りに退院していきました。

 

月曜から金曜まで、判で押したような日々が過ぎていきます。

はたから見たら単調で退屈に思えるかもしれませんね。

 

でも「技術の深化」を得るには、「考えながら同じことをひたすら繰り返す」しかないのだと心得ています。

プロ野球選手の素振りとかもそうなんじゃないでしょうか。

 

2020年の骨盤臓器脱手術成績:218例を検証してみた。

今回は、↑子宮脱や膀胱瘤や直腸瘤に対する「経腟手術」の成績について、公開いたします。

直腸脱に対する「経肛門手術」については、またいずれ機会をみて公開しようと思います)

 

2020年に、私が手がけた子宮脱膀胱瘤直腸瘤の経腟手術は、218例ありました。

(直腸脱経肛門手術は44例でした)

 

コロナ禍で色々ありましたが、なんだかんだで終わってみたら、過去最多の手術件数です。

 

当院では、内科ドクターや感染症チームが、コロナと戦っています。

われわれ外科系チームは、可能な範囲で手術を頑張って、収益をあげなければいけません。

そうしないとスタッフの生活も困るし、もし辻仲病院が倒産したら地域医療が困ります。

 

99%の人が、ほぼ予定通りに退院できていた。

 

2020年に私が執刀した218例の手術成績を検証します。

間違いない数字だと思うのですが、もし記憶違いがあれば、この記事を読んだスタッフが気づいて教えてくれることでしょう。

 

218例すべてに「メッシュを使わない手術」を行っており、メッシュ手術(TVM手術)を行ったケースはありませんでした。

 

手術自体の重大トラブル(再手術を要する臓器損傷、輸血を要する大量出血など)はありませんでした。

 

術後の排尿トラブルで退院延期になった方が、一人いました。

膀胱機能の回復が遅くて、おしっこの管(バルーンカテーテル)が再留置となった方です。

入院期間が数日伸びましたが、自然回復して退院されました。

 

また、手術手技とは関係ない、心肺系の合併症が1件ありました。

患者さんには気の毒で申し訳なく思うのですが、予測予防の不可能な合併症でした。

高齢者ではまれに想定外のトラブルが起こりえます。全力で対処するしかありません。

 

これ以外の患者さんは、特記すべきトラブルはありませんでした。

 

以上、218名のうち、予定通り退院できなかった方が2名いらっしゃいました。

残りの216名(約99%)の方は、ほぼ予定通りに退院できていました。

 

ちなみに便秘とか痛みとかで、退院が1~2日伸びたのは、「ほぼ予定通り」に含めています。

入院中は誰でも便秘気味になり、術後は誰でも多少の痛みがあるからです。

 

これまで予定退院率100%を目指して、無数の工夫改良を加えてきました。

でもなかなか100%にはならないですね・・・

 

再発は現時点でゼロ。長期的に99%の人は大丈夫ではないかと・・・

 

2020年に骨盤臓器脱手術を受けた方で、再発した人は、今のところゼロです。

 

骨盤臓器脱手術の再発は、ほとんどが術後1年以内に生じてきます。

だからまだ、2020年の結論を出すには早いですね。

 

ちなみに、直近3年の手術症例約600例のうち、再発で再手術を要した人は、今のところ2例です(再発率0.3%くらい)

(参考)子宮脱や直腸脱の手術:再発可能性はどれくらい?

 

だから2020年に手術した218例のうち、一人か二人くらいは、長期的にみたら再発する可能性があります。

 

 

おそらく長期再発率は1%くらいに落ち着き、残りの約99%の人は、一発で治るだろうと見込んでいます。

 

再発に関しては、もうすこし改良の余地があるので、実行に移しています。

いずれ再発率ゼロに持っていくのが、目標の一つです・・・

 

以上、2020年の手術成績公開でした。

 

赤木一成 辻仲病院柏の葉 骨盤臓器脱外科医師