自宅裏の畑を経過観察。いろんな動物の足あとに加えて、モグラ道も登場・・・
おはようございます。
辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科医師の赤木一成です。
週末なので、「一週間の骨盤臓器脱手術記録」を書きます。
患者さんを特定できないよう配慮して、数週間前の日常を描写しています。
手術を7例行いました。
この週は、↑子宮脱膀胱瘤の手術を5例行いました。
また、↑子宮脱＋直腸脱の手術を、1例行いました。
さらにこの週は、↑子宮脱＋痔核の手術を、1例行いました。
遠方の大都市にお住まいの方なんですけど、そこから新幹線使ってはるばる受診してこられました。
もともと地元の病院で、子宮脱手術を受けるつもりだったけど・・・
①メッシュを使う手術しかやってない
②痔核の手術は同時にできない
と言われたとのことです。
当院で「メッシュを使わない経腟手術＋痔核根治術」を受けたいとのことだったので、このたびリクエストに応じた次第です。
この手術、当院では日常的にやってるので、いつも通り手術して順調に経過しました。
骨盤臓器脱と直腸肛門疾患の合併例
上記のように・・・
この二点は、当院骨盤臓器脱外科の強みです。
この「同時手術」について、少しくわしく解説してみます。
同時手術を行っています。
骨盤臓器脱（子宮脱・膀胱瘤・直腸瘤）には、しばしば直腸肛門疾患を合併します。
その代表格は、↑「直腸脱」と「痔核」です。
骨盤臓器脱の患者さんのうち、約3割の方が、この直腸脱や痔核を伴っています。
このようなケースでは、本人の希望に応じて、同時手術を行っています。
（もちろん、希望がなければやりませんよ）
僭越ながらワタクシ、直腸肛門領域の手術を5000件以上手がけてきてるので（証拠）、対応するのは容易です。
頻度は少ないですが、↑痔瘻や裂肛を合併しているケースもあります。
このような場合でも、もちろん同時手術が可能です。
同時手術を行わないケースもあります。
「同時手術はやらない方がよさそう」と判断して、別々に手術するケースも、たまーにあります。
↑上記のような、重度の肛門疾患を合併してるケースが、それです。
- 大きく脱出する重度の痔核
- 深部複雑痔瘻（III型IV型痔瘻）
- 重度の肛門狭窄 などですね。
「なんで同時に手術しないの？」ですって？
手術自体の難度が高くなるというのもありますが・・・
それより術後の痛みとか、傷の管理とかで、大変な目にあうと思いますよ。
深部複雑痔瘻の手術は、非常に大きな傷ができるので、座るのも困難になりがちだし・・・
肛門狭窄や重度痔核の手術では、術後に厳格な便通コントロールが必要ですからね。
（ただでさえ骨盤臓器脱術後の人って、便秘を生じがちなんです）
もし術後に、多量出血とか糞便塞栓（便が詰まって出なくなること）とか起こそうものなら、目も当てられません・・・
ということでワタクシ、骨盤臓器脱と同時手術を行うのは、「軽度の直腸肛門疾患」に限定しています。
同時手術できるかどうかは、私の判断に任せていただけたらと・・・
赤木一成
辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科
