・直腸脱とは、直腸が肛門から脱出してくる状態のことをいう。
・直腸脱は高齢の女性に多い。
・直腸脱を治すには手術が必要。
正常の状態では、直腸は肛門の奥の方に固定されている。
図のように直腸が肛門から脱出してくる状態を、直腸脱という。
直腸脱とはなにか:解説
直腸脱とは、読んで字のごとく、直腸が肛門から飛び出してくる病気のことをいいます。
脱出する腸の長さはさまざまで、ほんのちょっとしか脱出しない人もいれば、30cmくらい脱出するケースもあります。
直腸脱は高齢の女性によく見られる病気です。
年を取るにつれて、肛門括約筋のしまりがしだいに弱くなってくるのが、直腸脱の発症に大きくかかわっています。
直腸脱の方が「脱出する」といって肛門科を受診されても、診察時には脱出していないこともよくあります。
この場合、まれに痔核と間違われることがあるので、注意が必要となります。
直腸脱は薬では治らないので、手術が必要となります。
高齢化社会の進行に伴って、直腸脱で悩む方は今後も増えていくと思われます。
作成:赤木一成(辻仲病院柏の葉 医師)