直腸脱の手術を行った場合、どうしても一定割合で再発が起こる可能性がある。
この再発率は、術式により異なる。

高齢者ではもともと肛門のしまりがゆるくなっており、直腸の支持も弱くなっているため、どうしても一定の確率で再発することがある。

我々の施設における再発率は5~10%程度。

 

解説

直腸脱の手術は、比較的再発が多いことが知られています。

我々の施設では、これまで数千例におよぶ直腸脱の術式改良を続けてきた結果、成績は過去と比べて著明に改善してきています。

 

■経肛門手術

直腸脱は高齢者に発生することが多いので、侵襲(ダメージ)の少ない経肛門手術が第一選択となります。

 

経肛門手術でもっとも再発がすくないのはデロルメ法です。

長年にわたって数千例におよぶデロルメ法の経験を積み、少しずつ術式の改良を積み重ねてきた結果、現在では直腸固定術と比べてほとんど遜色ない成績をあげることができるようになってきています。

 

三輪-Gant法はわが国でもっとも広く普及している術式なのですが、再発率はデロルメ法よりやや高くなります。

ただしこの術式は、粘膜を切除する必要が無いため、その分デロルメ法より侵襲(ダメージ)の小さい手術と言えます。

だから三輪-Gant法に熟達した医師は、現在でも三輪-Gant法を第一選択としているようです。

 

当院では直腸脱の状態に応じて、デロルメ法と三輪-Gant法を使い分けるようにしています。

 

■経腹手術

経腹手術である直腸固定術の成績は良好で、再発率は5%程度です。

そのかわり直腸固定術は、経肛門手術とくらべて麻酔リスク・手間・侵襲(ダメージ)などで劣るため、全身麻酔のリスクが低い若い人が対象となることが多くなります。