病院駐車場が、すぐ近くの立体駐車場へ移転となりました・・・
おはようございます。
辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科医師の赤木一成です。
週末なので、「一週間の骨盤臓器脱手術記録」を書きます。
患者さんを特定できないよう配慮して、数週間前の日常を描写しています。
手術を5例行いました。
この週は、↑子宮脱+膀胱瘤の手術を5例行いました。
今週は平日に学会に参加したので、手術件数は少なめです。
例によって大きな問題なく、みなさん予定通りの退院です。
学会の司会
この週は、学会に参加していました。
パネルディスカッションの司会を仰せつかりました。
私が担当したセッションにおける中心テーマは、直腸脱でした。
全国トップクラスのスペシャリスト達による、発表や手術動画を見て、会場にいる専門家たちが「あーだこーだ」と議論するんです。
ただし今回は、リモート参加の人が大多数だったようで、学会場はいつもと比べて閑散とした感じでした・・・
直腸脱手術に参入するのはハードル高い
なんか変な見出しですけど・・・
直腸脱の手術って、病院があらたに手がけるのは、ハードルが高いというお話をいたします。
直腸脱の手術って、日常的に手掛けている病院は少ないんです。
たとえば学会の場でも、直腸脱で発表してる人って、レアキャラです。
今回の学会でも、私が見た限り、4人くらいしかいませんでした。
(いっぽう大腸癌の演題は100件以上ありました・・・)
大腸癌の手術は件数が多く、どこの総合病院でもやっている
大腸癌の手術って、消化器外科領域でもっとも多く行われている手術のひとつです。
総合病院とか大病院では、年間50例とか100例とかやってるのが普通なんですね。
消化器外科医であれば、ほとんどの医師が日常的にかかわっているんです。
直腸脱の手術は件数が少なく、やってる病院は一握り
いっぽう直腸脱って、大腸癌に比べたらまれな疾患なので、手術を日常的にやってる病院は少ないんです。
地域最大の基幹病院であっても、まったく手を出してないか、やるとしても年に1例とか2例程度じゃないでしょうか。
直腸脱手術を、年間20例とか30例とか「日常的に」行っている病院は、全国的にも数少ないんです。
私の知る限り、全国でも20施設くらいしかないはずです。
直腸脱の手術は種類が多い
さらに、直腸脱に対する術式がいろいろ存在するのも、話を難しくしてます。
- 肛門側からやるか(経肛門手術)、おなか側からやるか(経腹手術)
- 経肛門手術をやるなら、どの術式を選択するか(三輪-Gant、Delorme、Altemeier、PPH、Thiersh、ALTA・・・)
- 経腹手術をやるなら、どの方法でやるか(メッシュを使わない or 使う、メッシュ使うなら固定は直腸の前方 or 後方 or 巻き付ける、腸管を切る or 切らない・・・)
「直腸脱」という一つの疾患に対する手術なのに、ほんとに多くのやり方があります。
そして一つの術式だけで、↑あらゆるタイプの直腸脱を治すのは無理なんです。
患者さんの直腸脱の状態とか、全身状態とかを考慮して、適切な術式を選択する必要があるんですね。
だから、病院があらたに直腸脱手術に参入して、日常的に手がけようと考えるのであれば・・・
複数の術式について、一定水準の技術を習得しなければいけません。
でも年間数例しか直腸脱手術がない病院だと、それってハードル高いんです。
だから必然的に、「直腸脱は最初から専門病院に紹介しよう」というスタンスになって、専門病院に症例が集中することになるんですね。
年間100例を超える直腸脱手術をやらせていただいてます
ということで辻仲病院では、関東一円の病院から直腸脱の患者さんが紹介されてくるので、年間100例を超える直腸脱手術をやらせていただいてます(たぶん全国最多ではないかと・・・)
患者さんの直腸脱の状態に応じて、最適な治療を提供できるよう、あらゆる直腸脱術式を用意しています。
最後の方は宣伝になってしまいましたね。失礼しました・・・
赤木一成 辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科