おはようございます。
辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科医師の、赤木一成です。
今回はひさしぶりに、「骨盤臓器脱術後の尿漏れ」について、お話させていただきます。
「腹圧性尿失禁」ともいいます。
咳くしゃみとか、立ったり歩いたりとかで、腹圧がかかった時に尿が漏れる現象です。
なんで術後に尿漏れが起こる人がいるの？
これは以前にも記事にしたことがあるんですが・・・
骨盤臓器脱術後に、尿漏れが起こる人がいるのは、↑このような理由によります。
「手術の合併症で漏れるようになった」んじゃなくって
「もともと漏れやすい体質だった」ということですね。
※過去に同じような記事、↓何度か書いてるので、よろしければどうぞ・・・
骨盤臓器脱（膀胱瘤・子宮脱）の術後に尿が漏れる？ 原因と治し方。
骨盤臓器脱手術後にときどき行う尿失禁手術：手術のポイントはどこ？
どんな人に術後尿漏れが起こりやすい？
「わたし術後に尿漏れが起こるのかしら？」みたいな質問されること、ときどきあります。
一人一人の患者さんについて、術後に尿漏れが起こるか否か、正確に予想することは難しいけれど・・・
一定の傾向はあります。
肥満の人
まず、これです。
腹圧性尿失禁って、「腹圧」って書いてある通り、腹圧がかかって尿が漏れてくる状態です。
太っている人は、そのぶん腹圧が高いから、術後に尿失禁が起こりやすくなるわけです。
だからワタクシ、肥満の人が術後尿失禁になったら
骨盤底筋体操を始めてもらうと同時に・・・
「◯㎏やせましょう」と言うようにしてます。
（肥満度に応じて、5㎏だったり10㎏だったり）
でも実際に、やせてきてくれるかというと（以下略）
重度の骨盤臓器脱の人
重度の脱出の人も、術後に尿漏れが起こりやすい傾向があります。
子宮膀胱が脱出したり戻ったりを繰り返して、尿道がダメージを受けるから、締まりがゆるくなってるんでしょうね。
逆に、尿漏れが起こりにくいのはどんな人？
逆に言えば・・・
- 標準的な体形で
- 重症でない
そんな感じの人であれば、「術後尿失禁が起こる可能性は高くない」と言えます。
（もちろん、絶対ではないですけどね）
この二つは予防可能です。
ここまで読まれた方はお分かりでしょうが・・・
この二つは、予防可能です。
- 肥満の人は、ダイエットしましょう。
- 重症になるまで放置せず、適切な時期に手術を受けましょう。
同じセリフを、何度も何度も繰り返してますね（汗）
まあそういうことで・・・
赤木一成
辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科
