今回はマンゴーの話・・・ではありません。
おはようございます。
辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科医師の赤木一成です。
週末なので、「一週間の骨盤臓器脱手術記録」を書きます。
患者さんを特定できないよう配慮して、数週間前の日常を描写しています。
手術を7例行いました。
この週は、子宮脱膀胱瘤の手術を7例行いました。
また、巨大な子宮脱膀胱瘤の対処を1例行いました。
ワタクシこれまでに、1900例を超える骨盤臓器脱手術を手がけてきたんですけど、めったにお目にかかれない巨大さでした。
おそらく、歴代で1位~2位をあらそうサイズです。
実際の画像はお見せできませんが、大きさ的にはまさに、↑このマンゴーくらいです。
巨大子宮脱のAさん。最初の診察
〇月△日、Aさんが受診されました。
診察室に入ってくるなり、「あっ、重度の骨盤臓器脱だ」と分かります。
ガニ股になって(↑これは違うけどw)、ヨタヨタ歩いてくるから、一目でわかるんですよね。
いかにもつらそうです・・・
問診もそこそこに、さっそく↑診察台に横になってもらいました。
診察した結果、きわめて重症の子宮脱でした。
↑上図の右端レベルまで大きくなって、さらに何年も放置してたんでしょう。
まず、苦痛を何とかしなければいけません。
診察室で子宮を押し込んで、ペッサリーで支えることができれば、とりあえず苦痛は解除できます。
ということで、子宮を押し込もうとしてみたけど、痛みが強すぎて不可能でした。
この「押し込んでも戻らない」状態を、嵌頓(かんとん)状態といいます。
つらくて身動きできず、尿も出なくなったとのことで、危機的状況と言えます。
・・・ということで、なるべく早く手を打たないといけません。
空いてる手術枠に押し込んで、麻酔かけて対処することにしました。
巨大子宮脱の緊急対処
・・・さてさて手術室に入って、麻酔をかけました。
麻酔をかけた状態で、巨大子宮脱を強く押し込んでみたところ・・・
なんとか子宮を元に戻すことができました。
ホッとしました(笑)
これで当面の危機的状況は回避できそうです。
しばらくペッサリーでつないで、手術スケジュールの調整がついたら、あらためて根治手術を行いたいと思います。
骨盤臓器脱で緊急対応を要することって、滅多にないんですけど、今回はこの滅多にないケースでした。
もっと早く来ればイイノニ・・・(ボソ)
※「もっと早く来ればイイノニ」シリーズ、第二弾でした(笑)
ということで、結論です。
・・・ということで、結論です。
重度の骨盤臓器脱を放置してると、最悪こんな状況に陥ります。
早目に病院を受診するのが賢明ですよ。
前回と同じようなこと言ってますが、まあそういうことで・・・
赤木一成
辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科