5月の手術記録です。骨盤臓器脱術後の再発はいつごろ生じてくるの?

 

おはようございます。

辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科医師の赤木一成です。

 

このたび、骨盤臓器脱(子宮脱・膀胱瘤・直腸瘤・膣脱)の手術経験数が、2100例に到達しました。

すべて術者としての執刀数です(直腸脱は約400件)

これからも着々と、件数を積み上げていきます。

 

5月に手がけた手術は27例でした。

 

月初めなので、「先月の骨盤臓器脱手術記録」を振り返ります。

(患者さんを特定できないよう配慮し、日付などの詳細は変更を加えていることがあります)

 

先月(2023年5月)に、ワタクシが術者を務めた手術は、27例でした。

5月連休があったけど、その後は手術がびっしり入ってました(笑)

 

27例の内訳は・・・

 

 

↑骨盤臓器脱(子宮脱・膀胱瘤・直腸瘤・膣脱)の経腟手術が22例。

 

 

↑直腸脱の経肛門手術が2例。

 

 

↑子宮脱+直腸脱の手術が1例。

 

このほか、脊椎麻酔(下半身麻酔)で行う小手術(↑尿失禁TOT手術など)が2例でした。

 

手術は全員順調に完了し、みなさま無事に退院していかれました。

 

また私とは別に、↑腹腔鏡チームが骨盤臓器脱経腹手術を10例ほど行っていました。

 

 

 

ということで、手術に関する特記事項は無かったんですけど・・・

 

先日、子宮脱術後再発の再手術を行った方が、外来に受診してきました。

退院後2回目の受診です。

 

診察したところ・・・きれいに完治しておりました。

 

これから再発してくる可能性はまず無いでしょう。

ホッとしました(笑)

 

骨盤臓器脱術後の再発時期

 

なんで、「これから再発してくる可能性はまず無い」と言えるの?

 

こう思う方も、いらっしゃるかもしれませんね。

この件について、解説してみます。

 

再発が判明してくる時期

 

 

↑これは、退院後の受診スケジュールです。

 

「1回目の受診」が退院3週間後、

「2回目の受診」がそ3か月後(=術後4か月くらい)ですけど・・・

 

近年の再発症例って、この「2回目の受診」まで、明らかとなってるケースばっかりなんですよね。

術後1年以上たってからの再発って、経験してないような気がします。

 

ちょっと調べてみた

いちおう、裏付けをとってみましょう。

手元にあるデータで、簡単に調べてみました。

 

現在の手術方法に落ち着いたのは2019年なので、直近4年のデータになります。

 

この間に、私が手がけた骨盤臓器脱手術は900例で、再発して再手術を行ったのは7例です。

 

そしてこの7例は・・・

すべて退院後「2回目の受診」までに、再発が確定していました。

 

それより後(1年後とか2年後とか)になって、あらたに再発してきたケースは、いまのところありません。

(もちろん、今後も絶対ないとは言えませんけどね)

 

 

 

ということで、結論です。

 

退院後2回目(=術後4か月)の受診で問題なければ、その後に再発してくる可能性はほぼ無い。

 

骨盤臓器脱術後の再発時期に関しては、こう考えていいと思います。

(直腸脱術後の再発時期については、いずれ調査しようかと・・・)

 

 

赤木一成

辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科