今年唯一の再発症例 リターンズ。私が生涯やり続ける作業。

このハートを見ると、冬が来たなあと感じます・・・

 

 

おはようございます。

辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科医師の赤木一成です。

 

今回は久しぶりに「再発」に遭遇したので、この件についてお話させていただきます。

 

患者さんには申し訳なく思うのですが・・・

本人に迷惑かからないよう配慮しつつ、記録に残しておこうと思います。

 

今年唯一の再発症例

年の暮れが近づくこの頃、骨盤臓器脱術後の再発に遭遇しました。

 

ワタクシ今年はこれまでに、250例以上の骨盤臓器脱手術(子宮脱・膀胱瘤・直腸瘤・膣脱)を手がけてきてるんですけど、現時点で今年唯一の再発症例です。

 

 

骨盤臓器脱術後に再発しやすい人って、↑上記の二つのパターンがあるんですけど・・・

(参考:骨盤臓器脱手術後の再発率。どんな人が再発しやすいの?

 

今回もそのパターン通り、「重度の子宮脱」が再発してました。

 

 

 

そして、再発が判明する時期は、↑「退院後2回目の受診まで」ばかりなんですけど・・・

今回の再発も、退院後2回目までに判明していました。

(参考:骨盤臓器脱術後の再発はいつごろ生じてくるの?

 

 

 

実は去年も再発が1例ありまして(参考)、今回は約1年ぶりの再発です。

「今年は完封いけそう!」と思ってたので、ちょっとがっかりしてます。

 

去年と今年の約2年間で、現時点で骨盤臓器脱手術を530例くらい手がけてて、いまのところ再発2例。

再発率は約0.4%ですか。

 

将来的にぽつぽつ再発が出てくる可能性を加味しても、長期再発率は1%程度に維持できそうではありますが・・・

なかなか、再発ゼロにはなりませんねえ。

 

永遠の課題であります。

 

経験を糧にして未来に活かす

まあがっかりしてばかりもいられないので、この経験を糧にして、未来に活かしましょう。

 

さっそく、いつもの作業に取り組むことにしました。

 

 

前回手術の各種記録をチェックして、

再手術を行う際に再発原因を詳しく検証して、

自分なりに考え抜いたり、いろんな手術動画を見てヒントを探したりして、

「もっとこうした方がよくなるんじゃないか?」という仮説を立てて、

次からの手術にフィードバックするんです。

 

こういった手術操作における、実用的なTIPSは、どんな本や論文にも書いてありません。

このフィールドでは、院内で自分がトップなので、教えを乞う相手もいません。

だからこんな感じで、自ら考え抜きつつ洗練させていくしかありません。

 

 

 

・・・と、いうことで。

骨盤臓器脱と直腸脱あわせて2600例超にわたって、折に触れてこの作業を繰り返してきてます。

 

現役で手術を続ける間は、この作業から卒業することはないのでしょう。

 

 

赤木一成

辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科