手術を迷う人にはどう対処してる? 今週の骨盤臓器脱手術は7例。

すいかシリーズその3:ピラミッドすいか

 

おはようございます。

辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科医師の赤木一成です。

 

週末なので、「一週間の骨盤臓器脱手術記録」を書きます。

患者さんを特定できないよう配慮して、数週間前の日常を描写しています。

 

手術を7例行いました。

この週は、子宮脱膀胱瘤の手術を7例行いました。

 

手術はずっと安定してて、何も起こりません。

ほぼ全例が、1時間ちょっとで終わります。

時間が読めるのがいいですね(笑)

 

この週は、手術で特記すべきことは無かったんですけど、

外来がグダグダ展開(笑)でした。

 

それはなぜかといいますと・・・

新患のことごとくが、「治療方針をどうしたいか、なかなか決められない人」だったんです。

 

即決できる人、なかなか決めきれない人

 

わたくし週に2コマ、骨盤臓器脱外来を担当しています。

この骨盤臓器脱外来には、新患が週あたり12名ほど受診されます。

 

骨盤臓器脱で何か月も何年も悩んでて、ようやく決心して病院を受診される方ばかりです。

 

 

新患が受診されたら、まず診察を行います。

 

新患の大半が、ある程度進行した骨盤臓器脱(子宮脱・膀胱瘤・直腸瘤・膣脱)ですね。

軽症の方は少数派です。

 

 

 

続いて説明を行うんですけど、ここで話す内容はいつも同じです。

 

診断は骨盤臓器脱です。

治療には、①保存的治療(ペッサリーや骨盤底筋体操)と②手術があります。

保存的治療は「骨盤臓器脱と付き合っていく方法」で、これで治ることはありません。

根本的に治すには手術が必要です。

 

まず決めてほしいのは、もちろん「手術するかしないか」という点です。

良性疾患ですから、治療方針は「本人の希望」で決まります(もちろん私の意見は伝えますよ)

 

ここで、方針を即決できる人とできない人に分かれます。

 

即決できる派

 

即決できる派の人は・・・

「手術をお願いします」とか、

「いまは忙しいので、まずペッサリーで」とか。
一生ペッサリーというのは無理ですが

 

話が早いのでこちらも助かります。

全体の8割は、こちら派ですね。

 

なかなか決めきれない派

 

そして残りの2割の方が、「なかなか決めきれない派」です。

 

この場合、展開は決まっています。

延々と質問が続くんですよね・・・

 

でも私の経験上、延々と続く質問にずっと付き合っても、その場で結論が出ることはありません。

 

そんな人に付き合ってたら、他の患者さんの待ち時間がどんどん長くなっていきます。

だからなんとかしなくてはいけません。

 

この場合に私がとる対処法は、二つです。

 

いったん待合室に戻って、スマホでこのサイトを研究していただく。

 

診察室で決めきれない場合には、まずこのサイトの存在を教えてあげて、待合室に案内するようにしています。

30分ほど時間をさしあげて、手持ちのスマホで研究してもらうんですね。
(もちろん家に持ち帰って研究してもOKですよ)

 

私に延々と質問を続けるより、この方が、短時間ではるかに多くの情報を得られるんです。

 

決心ついたらあらためて、私に教えてくださいませ。

 

いったん持ち帰って、家族と相談していただく。

一人で受診されてる場合には、いったん持ち帰って、家族と相談するのもいいでしょう。

 

このような場合、私はまず「娘さんはいらっしゃいますか?」と聞きます。

娘さんに相談してもらったら、だいたい即決なんですよね。

本人より娘がリードして、スパスパ話を進めていくという(笑)

 

「夫と相談するのはどうなの?」ですって?

えーっと、ご主人はですね・・・

本人が決めきれなくて、ご主人に相談してもらっても、あんまり話が進まないんですよねえ。

「女の病気は分からんから自分で決めて」とか言われるみたいで・・・(笑)

 

そして息子さんと相談する人は・・・ほとんどいませんねえ。

やっぱり息子さんには相談しにくいんじゃないかな~と思ってます。

 

 

赤木一成

辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科