おはようございます。
辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科医師の赤木一成です。
週末なので、「一週間の骨盤臓器脱手術記録」を書きます。
患者さんを特定できないよう配慮して、数週間前の日常を描写しています。
手術を7例行いました。
この週は、子宮脱+膀胱瘤の手術を7例行いました。
全員問題なく手術は完了し、術後も順調に経過して退院されました。
この週は、手術で特記することは無かったんですけど・・・
外来でちょっと印象的な方がいました。
自分を責めるご婦人
こちらは、子宮脱で当院外来を受診されたAさんです。
骨盤臓器脱で受診される患者さんって、明るくてしっかりした感じの人が多いんですけど、Aさんはそうじゃありませんでした。
このAさん、弱気なんです。
子宮脱になったことで、自分を責めるような発言をされます。
「子宮脱になって夫に申し訳ない」とか。
「私の何が悪かったんでしょう」とか。
いえいえ、全然そんなことありませんよ。
子宮脱になっても、自分を責める必要はありません。
以下、私の考えをお話いたしましょう。
不摂生でなった病気なら、自分を責めるのも分かるけど・・・
↑不摂生を繰り返して、病気になったのであれば、たしかに自分を責めるのも分かります。
ちなみにワタクシ、飲みすぎて救急車で運び込まれた若者には・・・
(゚Д゚#)ゴルァ!!
という感情を抱いてしまいます。
(たぶん全国の医療従事者みな同じではないかとw)
胸を張って受診してくださいませ。
でもですね・・・
骨盤臓器脱って、自分が不摂生を続けて、なったわけではありません。
骨盤臓器脱の最大の原因は・・・
「出産で、骨盤臓器を支えている組織がダメージを受けること」なんです。
(これに、加齢とか腹圧とかの原因が加わるんですけどね)
命がけで子供を産んだ結果、骨盤臓器脱になったんです。
体を張って、日本の少子化対策に貢献した結果、骨盤臓器脱になったんです。
全然、自分を責めるべき事じゃありませんよね。
むしろ骨盤臓器脱になったのって、誇ってもいいくらいの事なんじゃないかと、私は思ってます。
「女の勲章」と言ったら、言い過ぎでしょうか・・・?
ということで、骨盤臓器脱になったご婦人方、全然気にすることはないですよ。
ワタクシは、敬意をもって接したいと思います。
胸を張って受診してくださいませ・・・
赤木一成
辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科