2200例に到達。直近100例の振り返り:高難度症例・退院延期・合併症

自宅近くの施設に登場したポスター・・・

 

おはようございます。

辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科医師の、赤木一成です。

 

2200例に到達

 

わたくしごとで恐縮ですが・・・

 

骨盤臓器脱手術(子宮脱・膀胱瘤・直腸瘤・膣脱)の累積執刀数が、2200例に到達しました。

すべて術者としての経験数です(この他に直腸脱手術が450例程度)

 

直近100例の振り返りを、行ってみたいと思います。

 

手術は全員、安全に終えることができていた。

 

 

直近100例では、術中のトラブルはなく、全員無事に手術完了してました。

 

安全性は誰にも負けません(笑)

 

手術が難しかったケースは2例

術中トラブルは無かったんですが・・・

難度が高くて、通常より時間を要したケースが、2例ありました。

 

原因はたいてい、これらのどれかです。

  • 重度の骨盤臓器脱
  • 高度の肥満
  • ペッサリー使いすぎで癒着

今回手こずった原因は、「重度」が1名、「肥満」が1名でした。

 

 

これまで何度も書いてますが、まあそういうことで・・・

 

たまーに生じる術後トラブル

術後に生じたトラブルとしては・・・

 

  • 術後の排尿困難
  • 少量出血の持続

がありました。

 

術後の排尿困難

 

一つ目は、「術後排尿困難」です。

たしか、2名ほどいらっしゃったと記憶してます。

 

↑術後に尿が出にくくて、退院が2日ほどのびる人がいます。

私の手術を受けた方で、退院延期となる理由は、たいていこれです。

 

これは、テクニカルエラー(手術手技が悪くて生じるトラブル)ではありません。

 

 

「もともと膀胱機能が弱い人」とか「尿が出にくくなる薬を飲んでる人(過活動膀胱の薬、うつ病の薬etc)」とかの場合・・・

↑手術で膀胱が刺激を受けることで、たまーこの現象が生じるんです。

全国どこの病院でも、一定比率で生じているトラブルですね。

 

これは、バルーンカテーテル(おしっこの管)留置期間を延長して、さらに膀胱安静を保つことで、いずれ改善してきます。

 

少量出血の持続

二つめは、「出血」です。

↑膣壁の創(傷)から、ジワジワ出血が続くケースが、1例ありました。

 

これも、テクニカルエラーではありません。

生活動作の際に、膣壁の創がこすれて、出血することがあるんですね。

特に、抗血栓薬(血液サラサラの薬)を飲んでいる人に起こりやすいトラブルです。

 

出血部位を止血して、(状況によっては)抗血栓薬をしばらく中止することで、いずれ改善してきます。

 

 

 

以上です。

 

上記のようなマイナートラブルは時々起こりますけれど・・・

重度臓器損傷とか、輸血を要する多量出血とか、そういった重大トラブルは2年以上起こってません。

 

よろしければ受診してみてくださいませ。

 

 

赤木一成

辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科