骨盤臓器脱の手術:手術するかどうかは、本人の希望が最優先です。

わたし、子宮脱なんです。

病院を受診したいけど、手術を強要されたりするんでしょうか?

まずは話を聞いて、それからどうするか考えたいんですけど、不安です・・・

こんな疑問に答えます。

 

 

おはようございます。

辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科医師の赤木一成です。

 

このまえ、新患の患者さんから、こんなこと言われたんです。

「病院に行ったら手術を強要されると思って、なかなか受診できなかった」

 

いやーそれっていつの時代の話なんですか?

いまは令和ですよ・・・

 

医師が手術を強要することは決してありません。

 

われわれ医師の世界には、「昭和の医者」という言葉があります。

 

「患者は俺の言うことを聞いてればいいんだ!質問など許さん!」みたいなキャラクターの医者を、揶揄する言葉です。

 

実際、私が医者になったばかりの四半世紀前には、そんな医者がときどきいました。

 

でもいまどき、そんな医者は絶滅しています・・・

 

仮に手術を強要されて、手術予約入れたとしても、キャンセルすればいいんです(笑)

 

仮にわたくしが、「昭和の医者」キャラクターだったとしましょうか。

 

子宮脱で悩んでいる人が、私の外来を受診したとします。

そして「子宮脱があるから手術!」と言って、質問も受け付けずに、そのまま入院予約へ向かわせる・・・

 

(そんなこと決してありえないんですけど)もしそうなったら、キャンセルすればいいんです。

そんな医師とは、永遠にさよならすればいいんです。

 

だから心配は不要です。

安心して受診してくださいませ。

 

手術を受けるかどうか決めるのは、あくまでも患者さん本人です。

 

 

もちろん、私の意見は伝えます。

 

たとえば重度の子宮脱膀胱瘤で、水腎症が起こっている人。

重度の子宮脱で、こすれて出血している人。

ペッサリーを長年使ってて、膣壁がベロベロにただれている人。

そんな場合には「手術を受けるべきです」と、ちゃんと言います。

 

それでも断るのは、本人の自由です。

 

その代わり、それで望ましくない結果が起こったら、もちろん自己責任となります。

「水腎症を放置して腎機能が悪くなった」とか、「出血が止まらなくなって救急車」とか。

どちらも実際にあった話です。

 

選択する「自由」は患者さんのものだけど、その自由には「責任」を伴うということですね。

 

赤木一成 辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科