骨盤臓器脱(子宮脱・膀胱瘤)は、重症化すると水腎症で腎臓に負担がかかります。

わたし、子宮脱が大きく出てるんです。

尿の流れが悪くなって、水腎症になってるそうです。

これって放置してるとまずいですよね?

こんな疑問に答えます。

 

 

おはようございます。

骨盤臓器脱外科医の赤木一成です。

毎日のように骨盤臓器脱の手術を行っておりますが、ときに「水腎症」になっている方がいるんです。

今日はその水腎症についてお話いたします。

 

骨盤臓器脱(子宮脱・膀胱瘤)は、重症化すると水腎症を生じることがあります。

 

 

↑これ、尿路系のイラストです。

腎臓で尿が作られて、尿管を通って、膀胱に貯められます。

 

この尿管って、膀胱や子宮のすぐ近くを通っています。

骨盤臓器脱(子宮脱・膀胱瘤)が起こって、膀胱や子宮がさがると、尿管が圧迫されてくるんです。

引用:edren.org

 

そして尿が流れにくくなり、だんだん拡張して、水腎症という状態になります(参照

上図でいうと、左側が正常の尿管で、右側が水腎症(Hydroureter+Hydronephrosis)になった尿管です。

 

腎臓がダメージ受ける前に、手術をおすすめします。

骨盤臓器脱(子宮脱・膀胱瘤)は良性疾患なので、手術を受けるかどうかは、あくまでも本人の希望を重視しています。

でもこの水腎症が起こっているような状況であれば、話は別で、全員に手術を強くすすめます。

放置しておくと腎臓に負担がかかって、最悪の場合、腎不全になってしまうんですね。

手術を受けて骨盤臓器脱が治れば、この水腎症は治ります。

 

赤木一成 辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科