おはようございます。
辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科医師の赤木一成です。
今回は、「骨盤臓器脱手術における患者さんの四大不安」について、お話させていただきます。
とくに麻酔について、重点的に行かせてもらおうかと・・・
よろしければ、お付き合いください。
患者さんの「四大不安」
骨盤臓器脱手術を受ける患者さんが、不安に思う事のトップ4は、以下のようなものです。
①手術の安全性(合併症なく安全に終わるんだろうか)
②再発(一発で治るんだろうか)
③痛み(痛みは強い?)
④麻酔の安全性(麻酔から覚めるんだろうか)
①②③については、これまでたびたび触れておりますので、要点を簡単に示してみましょう。
まず、①の「手術の安全性」については・・・
ワタクシが手がける骨盤臓器脱手術では、99%の方が大きなトラブル無く経過し、だいたい予定通りに退院できています。
(残りの1%は、ほぼ「尿が出にくい」系のトラブルで、この場合退院が数日遅れます)
そして、②の「再発」については・・・
現在のやり方に落ち着いた2019年から今まで、約900例の手術を手がけてきて、再発率は0.8%程度です。
(長期的には1%程度に落ち着くと予想しています)
③の「痛み」については・・・
手術ですから、だれだって多少の痛みはあります。
でも痛みは徐々に軽快し、いずれ必ず消失します。
麻酔の安全性はきわめて高い。
そして今回は、④の「麻酔」について、重点的にお話させていただきます。
当院の骨盤臓器脱手術は、「全身麻酔」で行っています。
寝ている間に、手術が完了するということですね。
そして、麻酔の安全性についてですが・・・
「麻酔の安全性はきわめて高い」と言い切ってしまいましょう。
当院はこれまで、病院全体で4000件近い骨盤臓器脱手術・直腸脱手術を行ってきています。
そのなかで、麻酔による事故はゼロです。
みなさま安全に麻酔から覚めて、手術室から病室へ帰っていると言うことですね。
ということで、麻酔が安全に行われている要因はなにか?
二つあると考えています。
術前の評価をきっちり行っている。
まず、これです。
骨盤臓器脱手術予約を入れた方は、手術の一か月前に、術前検査を受けていただきます。
血液検査、胸部レントゲン検査、呼吸機能検査、心電図が主なものですね。
これは当院に限らず、全国どこの医療機関でも行われている検査です。
またこの他に、子宮癌の検査、大腸内視鏡検査、膀胱鏡検査なども行います。
検査にひき続き、こんどは・・・
- 内科診察
- 麻酔科診察
- 術者最終チェック
があります。
これら3つの関門をクリアしてはじめて、手術OKのサインが出ます。
もしどこかでNGが出るようであれば、手術は中止(延期)です。
原因となっている異常を治してもらってから、手術をあらためて仕切り直すことになります。
専門の麻酔科ドクターが麻酔を担当する。
これはまあ、言うまでもありませんね。
術中はずっと、専門の麻酔科ドクターが、全身麻酔を管理しています。
この道のプロが、あなたの全身状態に目を光らせてますよ。
赤木一成
辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科