富士山がでっかく見える商店街・・・(富士吉田市)
おはようございます。
辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科医師の赤木一成です。
週末なので、例によって「一週間の骨盤臓器脱手術記録」を書きます。
患者さんを特定できないよう、数週間前の日常を描写しています。
手術を7例行いました。
この週は手術を7例行いました。
子宮脱+膀胱瘤の手術が5例、直腸脱の手術が2例です。
さいきん6階病棟では、女性の入院患者さんが多くて、女性部屋はほぼ満床が続いています。
この場所は、私が担当する骨盤臓器脱の患者さんが、大半を占めています。
繁盛(笑)している理由としては・・・
私の骨盤臓器脱手術件数が増えたこと
遠方の患者さんが増えてきたこと(長目の入院をおすすめしています)
なぜか最近直腸脱の患者さんが多いこと(直腸脱は入院期間が長くなりがちです)
などが考えられます。
このご時世に、ありがたいことです。
6階病棟スタッフのみなさん、忙しくて大変でしょうが、頑張ってくださいませ・・・
ペッサリーは「借金の先送り」
とある日の、骨盤臓器脱外来でのお話です・・・
80代のAさんが、婦人科の〇〇クリニックから紹介されて、受診してきました。
(いつもご紹介ありがとうございます)
紹介状に、「子宮脱の手術依頼」と書いてありました。
ペッサリーを使用中とのことです。
Aさんが言うには、〇〇クリニックの院長先生から・・・
「ペッサリーは借金の先送りみたいなもんだから、はやく辻仲病院で手術してもらいなさいよ」
とすすめられたそうです。
「上手いこと言うなあ・・・」と思ってしまいました。
借金とペッサリーの共通点
借金を返さず先送りしてたら、借金は一生なくなりません。
その間、利子を払い続けなければいけません。
時とともに、支払う利子の総額が増えて、損失が拡大していきます。
借金は、一生かりっぱなしというわけにはいきません。いずれ返済しなくてはなりません。
そして・・・
たしかにペッサリーって、借金に似てるんですよね。
ペッサリーで現状を先送りしても、骨盤臓器脱が治るわけではありません。一生そのままです。
そして、ペッサリーで管理する場合には、定期的な通院が必要なんです。
生涯にわたって、通院の手間と費用がかかるから、借金の利子を払い続けるのと似ています。
ペッサリーのまま一生過ごせればいいんですけど、なかなかそうはいきません。
年とともに歩くのが難しくなったり、施設に入ったりしたら、通院が大変になってくるんです。
そこまで我慢してようやく手術を受ける気になったら、その頃にはいろんな持病を抱えていて、手術のリスクが高くなってることがよくあるんです。
こんなケース、実際にたくさん見てきました。
さらに言わせていただくと・・・
ペッサリーを延々と使用していると、癒着が起こってきます。
癒着があると、手術を受けることになった時に、手術難度が高くなるんです。
(それでも安全に手術してるんですけどね)
ワタクシもこの言葉、使わせてもらうことにしました
ということで、ワタクシも今後「ペッサリーは借金の先送り」という言葉、使わせていただこうと思った次第です。
ワタクシは一貫して、「骨盤臓器脱は、元気なうちに手術で治してしまったほうがいい」というスタンスなんです。
もしペッサリーで満足している方がいらっしゃれば、気分を害したかもしれませんね。
ご容赦ください・・・
赤木一成 辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科