おはようございます。
辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科の赤木一成です。
「一週間の骨盤臓器脱手術記録」を書いてみようと思います。
これらの記録はリアルタイムではなく、数か月前の「一週間のできごと」の記録です。
患者さんを特定できないようにしています。
事実を淡々と書いていくので、日常の様子を知っていただけたら幸いです。
私が術者を担当する手術日は、月火水木金です。
私が術者を担当する手術日は、月火水木金であります。
(平日は毎日やんけ! というツッコミは無しです)
今週手がけた手術は6例。
内訳は、子宮脱+膀胱瘤が4例。直腸脱が1例。直腸瘤の経肛門手術が1例でした。
どの手術も、大量出血や臓器損傷など大きな合併症はなく、ほぼ予定通り退院していきました。
子宮脱や膀胱瘤の手術を4例行いました。
子宮脱や膀胱瘤の手術で、術中術後に大きなトラブルを起こした人はいませんでした。
一人だけ、便秘で対処を要した方がいました。
もともと便秘で、下剤を長年飲んでいた方です。
遠方にお住まいの方だったので、入院期間を2日間延長して下剤を追加し、便通のコントロールを行いました。
その後排便状態が改善し、問題なく退院していきました。
骨盤臓器脱の手術後に最も多いトラブルは便秘です。だから便通のコントロールには気を使います。
直腸脱の手術を1例行いました。
直腸脱の手術はデロルメ法を行いました。
直腸脱の患者さんは、膣側からの骨盤臓器脱(子宮脱・膀胱瘤・直腸瘤など)と比べて、管理が難しいことが多いです。
子宮脱の人より高齢者が多く、しかも大半がなんらかの持病を持っているからなんですね。
糖尿病とか、狭心症とか、腎機能が悪いとか、そんな感じです。
さらに直腸は便が通るところだから、「手術部位の安静を保てない」という点も、管理を難しくしています。
この方も、内科や麻酔科の先生方のお力添えをいただいて、安全に手術を行うことができました。
術後も特に大きなトラブルは無く、ほぼ予定通りの退院でした。
直腸瘤の経肛門手術を1例行いました。
直腸瘤の手術も1例に行いました。
比較的若い方で、排便障害が主訴だったので、経肛門手術を選択しました。
この手術、直腸壁を縫うだけのシンプルな手技ですが、縫うところを確定するのは触診頼りなので、ビデオとかで学ぶことができません。
「見るとやるとじゃ大違い」の典型ですね。
慣れた術者が行えば、手術自体は20分程度で終わります。
術後は排便スムーズに出るようになり、満足して帰って行かれました。
赤木一成 辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科