今年も桜が満開です。曇ってますが・・・
おはようございます。
辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科医師の赤木一成です。
週末なので、「一週間の骨盤臓器脱手術記録」を書きます。
患者さんを特定できないよう配慮して、数週間前の日常を描写しています。
手術を8例行いました。
この週は、子宮脱+膀胱瘤の手術を7例行いました。
みなさま例によって、術後は順調に経過して、だいたい予定通りの退院です。
また、90代の方の直腸脱+子宮脱の手術を1例行いました。
私が担当する手術の中で、もっとも手間がかかって大変なのが、この手術です。
ということで今回は、この「90代の直腸脱+子宮脱」について、お話させていただきます。
よろしければ、お付き合いください・・・
超高齢者に行った大きい手術
こちらは、直腸脱+子宮脱で受診された、Aさん(90代)です。
超高齢者なので、手術するにはリスクが高いです。
遠方にお住まいで、心臓の病気を抱えてて、抗血栓薬(血液サラサラの薬)も飲んでます。
だから心肺系のトラブルみたいな、重大な合併症が起こる可能性もあります。
・・・でもご本人、手術を強く希望しておられます。
「命を落としてもいいから、手術してほしい」
直腸脱の方って、たいていこうおっしゃいます。
よほど苦痛が強いんでしょうね。
いっぽう子宮脱では、ここまで強く手術を希望する人はまれです。
子宮脱より直腸脱の方が、はるかにつらいんだろうなーと、私は思っています。
ということでAさん、「直腸脱だけでもいいから治してほしい」とのことでした。
でも、どうせ直腸脱の手術をするなら、子宮脱も同時に治したほうがいいですよね。
直腸脱だけ治したら、あとで子宮に腹圧がかかって、子宮脱が大きくなる可能性があるんです。
結局、本人の強い希望を受けて、頑張って手術することにしました。
麻酔科と内科の先生に術前評価を依頼して、できるだけ安全な状態で手術に臨みます。
当然、手術のリスクについて、十分説明を行っていますよ。
さてさて手術・・・
〇月△日に、手術を行いました。
直腸脱は経肛門手術、子宮脱はメッシュを使わない経腟手術です。
この手術、子宮と直腸を同時に手術するので、手間と時間がかかります。
2時間半近く要しましたが、無事手術を完了しました。
Aさん、私の最大の任務は完了しましたよ。
こんどはあなたが頑張る番ですぞ(笑)
そして翌朝の診察・・・
さてさて翌朝・・・
Aさんの診察に行きました。
がんばって手術を無事に乗り越えたAさん、経過はいかがでしょうか?
・・・・・・・・・・・・・・・
忘れられてたようです・・・
いえ、いいんですけどね。
経過が問題なければ・・・
赤木一成 辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科