病院の隣にフィットネスができました。丸見え・・・
おはようございます。
辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科医師の赤木一成です。
週末なので、例によって「一週間の骨盤臓器脱手術記録」を書きます。
これは数週間前の日常の描写です。患者さんを特定できないよう配慮しています。
手術を7例行いました。
この週は、子宮脱+膀胱瘤の手術を6例行いました。
また、直腸脱の手術を1例行いました。
標準的な一週間ですね。
とくに問題なく経過して、みなさん予定通り退院されました。
自信満々の若手っていますよね・・・
今回はネタを思いつかなかったので、「経験と自信」というネタについて書かせていただきます。
骨盤臓器脱と無関係で恐縮ですが、もしよろしければ、お付き合いください・・・
みなさま、「経験浅いのに自信満々の若手」って、一人くらい見たことあると思います。
この現象って、ちゃんと名前がついてて、「ダニング=クルーガー効果」と呼ばれています。
ダニング=クルーガー効果って、「知識経験」と「自信」の関係についての知見です。
医者の多くは(キャラクターにもよりますが)、このダニング=クルーガー効果そのままの過程をたどって、成長していくんです。
若手は「怖いもの知らずの自信満々」になりがち。
若手の頃は、難易度が低くてだれでも成功しそうな症例が、上司から割り当てられます。
そして患者さんに迷惑がかからないように、つねに上司が目を光らせています。
この段階では、やるたびにうまくいくので、一部の若手は勘違いしてしまいます。
その結果、↑「怖いもの知らずの自信満々」になっちゃいがちなんですよね。
「上司より俺の方が上なんじゃね?」とか思っちゃったりします・・・
そして自信喪失する・・・
でも当然ですが、ずっとうまくいき続けるわけがありません。
上司がいつまでも監督(お守り)をしてくれるわけではないので、自信満々の若手君は、徐々に独り立ちを強いられます。
そしていずれ必ず、難しい症例や怖い症例を経験して、↑それまでの自信が粉々になるんです。
そりゃそうです。「経験に裏付けられた本物の自信」じゃなくって、「単なる勘違いだった偽物の自信」だったんですからね。
経験積んで中堅になったら、逆に慎重になっていく。
そこから立ち直って、経験を積んでいきます。
難しい症例怖い症例を次々に経験して、「自分の未熟さ」「専門領域の奥深さ」を思い知らされます。
その結果、知識経験は向上していってるのに、言動が慎重になっていくんです。
↑この段階にある中堅って、患者さんとかスタッフから見たら、慎重すぎて頼りなく感じることがあります。
素人目には、「怖いもの知らずの若手」の方が、自信満々で頼れそうな印象を受けるんです。
「大いなる勘違い」というやつなんですけどね・・・
無数の試練を乗り越え、百戦錬磨のベテランへ。
そして長年経験を積み、無数の試練をクリアした結果、↑百戦錬磨に到達できるということです。
ここまでたどり着くのは、並大抵のことではありませんが・・・
ここまで来たら、多くの試練を乗り越えて得られた、「本物の自信」と言えます。
怖いもの知らずの若手にはどう対応する?
「怖いもの知らずの若手が部下にいたらどうしたらいいか」ですって?
こんなとき上司が、「お前はまだ半人前だ」と言っても、反発されるだけです。
若手は「俺が一番デキる」と思ってるんですからね。
だから、「放っとく」とか「見守る」とかでいいんじゃないでしょうか。
いずれ自分の未熟さを思い知って、上司の言うことに耳を傾けるようになりますから。
(医療の世界では患者さんに迷惑かかるから、この手は使えないですが・・・)
赤木一成 辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科