骨盤臓器脱って珍しい病気なの?1600例に到達。今週の手術は6例。

骨盤臓器脱の手術予約カレンダー。6月は祝日ないから多忙でした・・・

 

おはようございます。

辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科医師の赤木一成です。

 

週末なので、「一週間の骨盤臓器脱手術記録」を書きます。

患者さんを特定できないよう配慮して、数週間前の日常を描写しています。

 

手術を6例行いました。

この週は、子宮脱+膀胱瘤の手術を5例行いました。

 

 

またこの週は、子宮脱+直腸脱の手術を1例行いました。

 

この子宮脱と直腸脱の手術、以前は二回に分けてやってました。

先に直腸脱の手術を行って、直腸脱が治ってから子宮脱手術をやってたんです。

でもみなさん「両方同時に治してほしい」と希望され、技術も安定してきたので、今では同時にやるようになっています。

 

この子宮脱+直腸脱って、なかなか一筋縄ではいきません。

重症のケースが多いので、苦戦することがしばしばあるんです。

でも他にやってる病院がないので、われわれが頑張っています・・・

 

骨盤臓器脱手術経験数が1600例に到達

 

わたくしごとで恐縮ですが・・・

骨盤臓器脱(子宮脱・膀胱瘤・直腸瘤)の手術経験数が、1600例に到達しました。

すべて術者としての執刀数です。

 

直腸脱の手術件数は、このまえ数えてみたら、2010年からいままで345例手がけていました。

両方合わせたら、もうすぐ2000例に到達です。

 

我ながら長くやり続けてきたなあと思います。

次は3000例ですかね・・・(笑)

 

骨盤臓器脱って珍しい病気なの?

 

「骨盤臓器脱って珍しい病気なんですか?」

「骨盤臓器脱の手術を受ける人って私だけ?」

こんな質問、時々いただきます。

 

いえいえ、ぜんぜんそんなことありませんよ。

 

実際には、国内だけで数百万人の女性が、骨盤臓器脱を有しているんです。

頻度の高い、一般的な病気なんですよね。

 

でも骨盤臓器脱って、眼科とか小児科とちがって、まわりの人に話しづらいですよね。

だから誰にも相談できずに、一人で悩んでいる方が多いから、一般的に知られてないだけなんです。

 

 

「骨盤臓器脱やってる病院なんて、見たことなかったから、まれな病気だと思ってた」

と言う方も、たまにいらっしゃいます。

 

たしかに骨盤臓器脱って、大半の医療機関では、ペッサリー程度しか対応していません。

 

骨盤臓器脱手術まで行っている病院は、多くありません。

関東に限っても、日常的に(年間100件以上)手術を手がけている病院って、10施設もないと思います。

 

私の知る限り・・・

骨盤臓器脱の手術って、「専門的にたくさんやってる病院」と、「まったくやってない病院」に分かれています。

年に10件とか20件とか、細々とやってる病院は少ないようです。

ある程度まとまった症例数がないと、一定レベルの成績を維持できないから、専門施設に集約されていくんでしょうね。

 

 

そして辻仲病院は、骨盤臓器脱の手術を「専門的にたくさんやってる病院」の一つです。

この領域の手術(子宮脱膀胱瘤直腸脱など)を、年間400件ほど手がけています。

 

ちなみに冒頭の画像は、ワタクシの6月の手術予約表です。

これはすべて、この領域(子宮脱膀胱瘤直腸脱など)の手術です。

一週間に7例くらいの手術を、毎週毎週おこなっています。

 

だから・・・あなたは一人ではありません。

骨盤臓器脱で入院している仲間が、6階病棟に、何人もいるはずです。

 

赤木一成 辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科