「簡単な手術ですか?」と聞かれたら。今週の骨盤臓器脱手術は8例。

自宅裏の畑が騒々しいと思ったら・・・キジらしいです。

 

おはようございます。

辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科医師の赤木一成です。

 

週末なので、「一週間の骨盤臓器脱手術記録」を書きます。

患者さんを特定できないよう配慮して、数週間前の日常を描写しています。

 

手術を8例行いました。

この週は、子宮脱膀胱瘤の手術を7例行いました。

 

 

 

また、直腸脱の手術を1例行いました。

 

全員大きな問題なく経過して、ほぼ予定通りの退院です。

(ここはいつも同じことばっかり書いててすみません・・・)

 

「簡単な手術ですか?」と聞かれたら。

 

たまーに、手術を受ける患者さんから、「これって簡単な手術ですか?」と聞かれることがあります。

 

医師に「簡単な手術です」と言ってもらって、安心したい気持ちは分かります。

 

でも「簡単な手術」って、この世に存在しません。

どんなに短時間で終わる手術であっても、一定のリスクはあるんです。

 

だからワタクシは、「簡単な手術ですか?」と聞かれたら、こう答えるようにしています。

 

「簡単な手術は存在しません。どの手術にも一定のリスクがあります」

 

100%本音です。

どれだけ技術を極めても、「簡単な手術」って言えるようになる時期は来ないと思ってます。

 

「簡単な手術ですか?」と聞くのはやめといたほうがいいですよ。

 

「簡単な手術ですか?」と聞くのはおススメしません。

まず、先程申し上げたように、「簡単な手術はほんとに存在しないから」です。

 

他にも二つほど理由があります・・・

 

「簡単な手術です」と答える医師はいないから。

仮にワタクシが、患者さんを安心させようとして、「簡単な手術ですよ」と言ったとしましょうか。

 

そして万一、術後に合併症が起こったとしたらどうでしょう?

そしたらワタクシが「簡単な手術と言ったじゃないか!」と責められますよね。

 

だから、私に限らずどの医師であっても、「簡単な手術です」などと答える人はいません。

 

もしいたとしたら、よっぽどの神業を持つ達人か、または怖さを知らない新人君か、どっちかじゃないでしょうか。

 

こんなこと聞かれて、いい気がする医師はいないから。

 

もうひとつ・・・

「簡単な手術ですか?」と聞かれて、いい気がする医師はいないと思ってます。

 

医師は長年にわたる修行を積んで技術を習得して、

合併症のリスクを引き受けてプレッシャー背負って、

万一重大事故を起こしたらキャリアが終わる覚悟を持って、

手術にのぞんでいます。

 

それを「簡単」などと言われたら、誰だっていい気はしませんよね。

 

 

画像参照

 

こんなこと聞いてくる人って、

たとえば↑このお方の店に行っても・・・

 

「このラーメン作るの簡単ですか?」なんて聞いたりするんでしょうか?

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

多分、↑こうなると思うんですけど。

 

「簡単な手術ですか?」などと聞くよりも・・・

 

だから、聞き方を工夫しましょうよ。

 

「簡単な手術ですか?」などと聞くよりも・・・

 

「この手術はこの病院でどれくらいやってるんですか?」とか、

「この手術の成績はどうでしょう?」

みたいな感じで聞くのが賢明ですよ。

 

赤木一成 辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科