わたし、子宮脱の手術を受けることになったんです。
手術を受けるの初めてなので、痛みが心配です。 大丈夫なのかしら? |
こんな疑問に答えます。
おはようございます。
辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科医師の赤木一成です
手術を受けるとなったら、もちろん誰だって痛みが不安ですよね。
わたくしがこれまでに手がけた子宮脱膀胱瘤の手術1350件のうち、「痛いからもうしばらく入院していたい」という理由で退院延期となった方は、これまで10人もいなかったように思います。
痛みゼロの手術は存在しないので、やっぱり子宮脱の手術でも少々の痛みはあります。
子宮脱・膀胱瘤の手術後の痛みについて書きます。
手術ですから、体の一部を切るわけで、やっぱり痛みゼロというわけにはいきません。
これは子宮脱の手術に限らず、どの領域の手術でも同じことです。
わたくしこれまでに、痔核や痔瘻といった肛門疾患の手術をたくさん手がけてきています(一応、証拠です・・・)
その経験上、肛門疾患(とくに痔核)の術後は痛がる人が多いんです。
それと比べると、子宮脱や膀胱瘤の術後は、それほど痛みが強くない印象を受けます。
痛みの原因はいくつかありますが、痛み止めを飲むことで軽快していきます。
①膣壁は痛みを感じない場所です。
子宮脱の経腟手術では、膣壁を切開して手術を行います。
そして手術を終えたら、ここを縫合します(赤矢印)。
この膣壁は痛みを感じない場所なので、ここが原因で痛みを感じることはほとんどありません。
②肛門近くの皮膚にできる小さな傷は、少々痛みます。
痛みを感じやすいのは、肛門近くの皮膚にできる5㎜くらいの傷です。
小さい傷なんですが、みなさんここに意識が集中するようで、痛みを訴える方がいらっしゃいます。
③もう一つ、腰の痛みを感じることもあります。
手術の翌朝に、「腰が痛い」と言う人がいらっしゃいます。
これは手術中の体位(お産の体位)のまま、1~1.5時間くらい寝ているため、腰が圧迫されるのが原因です。
手術が終わって部屋に帰ってきてからも、一晩あおむけで寝ていることになるので、腰に負担がかかるのです。
この痛みは、術後4~5日たって退院する頃には、ほとんど問題なくなります。
痛みを感じる時は、遠慮なく痛み止めを飲んでください。
痛みゼロの手術なんて存在しないんですから。
この痛み、退院する頃にはほとんど軽快します。
少々痛みが残っている場合でも、痛み止めを飲めば問題ありません。
退院後は3週間後くらいに外来に来ていただくのですが、痛みが原因で予定より早く来院する方はほとんどいません。
赤木一成 辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科