わたし、便が出にくくて、近くの内科クリニックに行ったんです。
でも下剤を処方されただけで、よくなりませんでした。 そして大腸肛門科で、はじめて直腸瘤の診断がついたんです。 直腸瘤ってあんまり知られてない病気なの? |
こんな疑問に答えます。
わたくし、直腸瘤の専門診療をやらせていただいています(証拠です・・・)
毎週のように、直腸瘤の経腟手術や経肛門手術を手がけてます。
でもこんな専門施設って、全国に5000件ある病院のなかでも、10件あるかないかという感じなんです。
直腸瘤って、専門家以外の医師にはあまり知られていません。
直腸瘤って、当院では当たり前のように診療し、手術している疾患です。
でもこの直腸瘤、患者さんだけでなく、医師にもあんまり知られてないんです。
たとえば消化器外科の医師であっても、直腸瘤のことを知らない人が多いんじゃないでしょうか。
直腸瘤は、医師の専門領域によって、対応が異なるのが現実です。
直腸瘤の症状の多くは、「便が出にくい」「残便感」みたいな感じです。
そうやって医療機関を受診することになるんですけど、医療機関によって、対応にずいぶん違いがあります。
直腸瘤の方が、一般内科のクリニックを受診したら、大抵は下剤処方で終わりです。
消化器内科のクリニックであれば、大腸がんの可能性を考えて、大腸内視鏡を行ってくれるでしょう。
そして大腸に異常が無いことを確認したうえで、やっぱり下剤処方になります。
大腸肛門科や骨盤臓器脱の医師ではどうでしょう?
これらの医師であれば、直腸瘤のことをよくわかっています。
必要に応じて、排便造影検査とか、大腸内視鏡検査とかを行って、直腸瘤の診断を正しくつけてくれるわけですね。
もちろん必要に応じて、手術とかの治療を行うこともできます。
一般内科と、消化器内科と、大腸肛門科では、対応がずいぶんと異なるわけです。
「餅は餅屋」ということですよね。
一般内科の先生が、直腸瘤を疑って紹介してきたら、思わず尊敬してしまいます。
辻仲病院では、多くの医療機関から、直腸瘤の紹介をいただいています。
ほとんどは大腸肛門科のクリニックからなんですけど、たまに消化器外科とか胃腸科からの紹介もあります。
まれに一般内科の開業医の先生から紹介があるんですけど、紹介状に「直腸瘤疑い」と書いてあったら、思わず尊敬の念を抱いてしまいます。
広範囲の病気に対応しないといけないのに、こんなマイナーな病気を知っているということは、普段からいろんな領域を勉強しているということですからね。
赤木一成 辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科