直腸瘤って、大腸肛門科や骨盤臓器脱の専門家以外にはあまり知られてません。

  • 2020年8月6日
  • 2020年10月12日
  • 直腸瘤
わたし、便が出にくくて、近くの内科クリニックに行ったんです。

でも下剤を処方されただけで、よくなりませんでした。

そして大腸肛門科で、はじめて直腸瘤の診断がついたんです。

直腸瘤ってあんまり知られてない病気なの?

こんな疑問に答えます。

 

 

わたくし、直腸瘤の専門診療をやらせていただいています(証拠です・・・

毎週のように、直腸瘤の経腟手術や経肛門手術を手がけてます。

でもこんな専門施設って、全国に5000件ある病院のなかでも、10件あるかないかという感じなんです。

 

直腸瘤って、専門家以外の医師にはあまり知られていません。

直腸瘤って、当院では当たり前のように診療し、手術している疾患です。

でもこの直腸瘤、患者さんだけでなく、医師にもあんまり知られてないんです。

たとえば消化器外科の医師であっても、直腸瘤のことを知らない人が多いんじゃないでしょうか。

 

直腸瘤は、医師の専門領域によって、対応が異なるのが現実です。

直腸瘤の症状の多くは、「便が出にくい」「残便感」みたいな感じです。

そうやって医療機関を受診することになるんですけど、医療機関によって、対応にずいぶん違いがあります。

 

直腸瘤の方が、一般内科のクリニックを受診したら、大抵は下剤処方で終わりです。

 

消化器内科のクリニックであれば、大腸がんの可能性を考えて、大腸内視鏡を行ってくれるでしょう。

そして大腸に異常が無いことを確認したうえで、やっぱり下剤処方になります。

 

大腸肛門科や骨盤臓器脱の医師ではどうでしょう?

これらの医師であれば、直腸瘤のことをよくわかっています。

必要に応じて、排便造影検査とか、大腸内視鏡検査とかを行って、直腸瘤の診断を正しくつけてくれるわけですね。

もちろん必要に応じて、手術とかの治療を行うこともできます。

 

一般内科と、消化器内科と、大腸肛門科では、対応がずいぶんと異なるわけです。

「餅は餅屋」ということですよね。

 

一般内科の先生が、直腸瘤を疑って紹介してきたら、思わず尊敬してしまいます。

辻仲病院では、多くの医療機関から、直腸瘤の紹介をいただいています。

ほとんどは大腸肛門科のクリニックからなんですけど、たまに消化器外科とか胃腸科からの紹介もあります。

まれに一般内科の開業医の先生から紹介があるんですけど、紹介状に「直腸瘤疑い」と書いてあったら、思わず尊敬の念を抱いてしまいます。

広範囲の病気に対応しないといけないのに、こんなマイナーな病気を知っているということは、普段からいろんな領域を勉強しているということですからね。

 

赤木一成 辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科