おはようございます。
辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科医師の赤木一成です。
今回は、ワタクシが見たことのある「究極の外来診察」について、お話させていただきます。
よろしければ、お付き合いください。
究極の外来診察を目撃した。
大繁盛している皮膚科の秘訣
むかし、自宅の近くに、大繁盛してる皮膚科がありました。
待合室とか、玄関のまわりに、いつも大勢の受診者がたむろっています。
毎日かるく100人以上、下手したら150人以上は、来院してたはずです。
80歳くらいのおじいちゃん先生(もう故人です)が院長先生で、院長先生+スタッフ数名でやってたみたいなんですけど・・・
これだけの患者さんを診察するには、ものすごいペースでやっていく必要があるはずです。
ある日、チャンスが訪れた。
これだけお年を召した先生が、どうすればこんなにたくさん診察できるのか?
午後診察で20人も診察したら「おなかいっぱい」になるワタクシ、気になって仕方ありません。
・・・あるとき、その秘訣を拝見するチャンスが訪れました。
息子に湿疹ができた時に、この先生に診てもらおうと、思い立ったんです。
そしていざ、診察してもらったらですね・・・
この大先生、息子の皮膚をちょっと見るなり、横の看護師さんに一言「モゴモゴ」と言って終わり。
トータル10秒の早業(笑)
そしたら看護師さんはですね・・・
その「モゴモゴ」を解読して、どういう治療をするかとか、薬の使い方とか、生活注意事項とかを、くわしく説明してくれました。
医師との接触は一瞬(笑)だったけど、満足度はOKという。
そして、↑同じことやってる看護師さんが、他に何人も・・・(笑)
大先生は、診察だけに徹して、それ以外の業務はすべてスタッフに任せてたわけです。
ものすごい速さの診察は、ここに秘訣があったわけですね。
自分の外来でも真似できないか?
「おお、これぞ究極の外来診察ではないか」
「ワタクシも、この『超スピード外来』を取り入れられないだろうか?」
一瞬、そう考えたことがありました。
これって、ワタクシの外来でも実行可能だろうか?
私は診察だけに徹して、説明はぜんぶ看護師さんにやってもらうとしたら?
- 「診断は子宮脱です」
- 「治療にはペッサリーと手術があります」
- 「手術には経腟手術と経腹手術があります」
- 「それぞれの術式の長所短所はこれこれです」
- 「起こりうる合併症はこれこれで、対処法はこうです」
うーんやっぱり、これらの説明をスタッフにやってもらうのは、無理ですよねえ(笑)
「あの超スピード診療は、大先生のオーラと、皮膚科という診療科の特性が組み合わさって、成立してたんだ」
そう気づいて、早々に断念した次第です。
赤木一成
辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科