おはようございます。
辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科の赤木一成です。
毎日毎日、骨盤臓器脱の手術に没頭しています。
今回は番外編です。
「骨盤臓器脱手術と寿司職人の共通点」という、一風かわったテーマについてお話しようと思います。
よろしければお付き合いください・・・
骨盤臓器脱の状態も、患者さんの全身状態も、みな異なります。
骨盤臓器脱には、上図のように、いろんな形があります。
そして、膣壁が厚い人薄い人、癒着のある人無い人、出血しやすい人しにくい人、組織がしっかりしている人もろい人・・・
たくさん手術をしていると、いろんな個性があることが分かります。
そして患者さんの全身状態も、みな異なります。
健康な人、持病がある人、太ってる人やせてる人、人工関節が入ってる人・・・
骨盤臓器脱の状態も、患者さんの全身状態も、みな異なっているということですね。
骨盤臓器脱手術を受ける患者さんが望むことはひとつ。
でも、ゴールは一つです。
患者さんが望むことは一つです。
「安全に手術して、正常の状態に戻してほしい」 当然ですよね。
個々の症例は、すべて条件が異なっています。
それをすべて安全にクリアし、全員を正常の形態に仕上げていく。
当たり前だけど、簡単なことではありません。
寿司職人の仕事と共通点があるんじゃないかと思っています。
引用:文芸春秋BOOKS
寿司名人の小野次郎氏は、こんなことをおっしゃっています。
「ネタもシャリも気候も体調も、日々異なる。これをならしてゆき、いつも同じ品質の鮨を提供するのがプロの職人の仕事」
第一人者と比較するのも恐れ多いですが、なんだか手術と共通してると思いませんか?
わたし流に解釈すれば・・・
「骨盤臓器脱の状態も、患者さんの全身状態も、みな異なる。これをすべて安全に手術し、全員を正常の形態に戻すのがプロの術者の仕事」
という感じでしょうか。
そこには「速さ」とか「派手さ」とかいう言葉はありません。
地味でもワンパターンでもゆっくりでもいいから、全員を同じやり方で、安全に再発なく治す。
そう心がけています。
赤木一成 辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科