骨盤臓器脱のペッサリー治療:一生続けるのはたぶん無理ですよ・・・

 

わたし、子宮脱でペッサリーを考えてるんです。

ペッサリーっていろいろあるみたいだけど、私はどれがいいの?

ペッサリーって一生続けられるの?

こんな疑問に答えます。

 

 

おはようございます。

辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科の赤木一成です。

 

骨盤臓器脱(子宮脱や膀胱瘤)の患者さんが、手術を希望しない場合には、保存的治療の対象となります。

 

保存的治療には、骨盤底筋体操と、このペッサリーがあります。

 

でも保存的治療って、「骨盤臓器脱と一生付き合っていく」方法で、治るわけではありません。

 

ペッサリーにはいろいろあって、骨盤臓器脱の種類で使い分けています。

fullcircle physiotherapyのサイトより引用

 

ペッサリーにはいろんなタイプがあります。

 

私がよく使うのは上の2種類です。

(ほかにもドーナツ型とかキューブ型とか、色々あります)

 

リング型ペッサリー

これは自己着脱がしやすいので、最初にこのタイプを試すことが多いです。

ただし重度の子宮脱とか、膣口が広い人とかでは、脱落することが多いです。

そのような場合には、他のタイプを試すことになります。

 

ゲルホーン型ペッサリー

これはリング型より効果が高く、リング型が無効の人に試すことがあります。

ただし自己着脱は難しいので、病院に定期的に通う必要があります。

 

ペッサリーを一生つづけるのは困難です。早めに手術で治したほうが、きっと幸せになれます。

 

ペッサリーは、合う人と合わない人に分かれます。

すぐ脱落したり、痛み違和感が生じたり、おりものや出血で悩む人も多いんです。

その場合には「ペッサリーが合わない」ということなので、手術をおすすめしています。

 

またペッサリーが合う人でも、これを一生続けていくのは困難です。

元気なうちはいいけれど・・・

10年20年後に、歩けなくなったり施設に入ったりした状態で、自己着脱や通院なんて大変ですよね。

その時点で手術を希望されても、そのような方はたいてい持病を持ってて、麻酔や手術のリスクが高くなっているんです。

 

しかも手術を受けるなら、それまで通院に要した費用や時間が、全部無駄になるわけです。

 

 参考:骨盤臓器脱手術を受けて治ったら、快適な生活を送れるようになりますよ。

 

だからペッサリーは、「一生続けられるものじゃない」と考えたほうがいいですよ。

元気なうちに手術を受けて、治してしまったほうが、きっと幸せになれます。

 

赤木一成 辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科