おはようございます。
辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科医師の赤木一成です。
週末なので、「一週間の骨盤臓器脱手術記録」を書きます。
患者さんを特定できないよう配慮して、数週間前の日常を描写しています。
この週は、手術を9例行いました。
いつもやってる、子宮脱+膀胱瘤の手術
この週は、↑子宮脱+膀胱瘤の手術を6例行いました。
これは、毎週6~7例ほど行っている、日常的な手術です。
術中の展開も、術後の経過も、ほぼ予定通りに進みます。
重大合併症や想定外の事態は、滅多に起こらないと言っていいでしょう。
ときどき行ってる、直腸瘤メインの手術
さらに、↑直腸瘤の経腟手術を1例行いました。
この直腸瘤って、軽度の膀胱瘤や子宮下垂を合併してることがあるので、その場合には同時に修復しておく必要があります。
(直腸瘤だけ修復して終わらせると、あとで膀胱や子宮が下がってくることがあるんです)
子宮脱+膀胱瘤の手術と比べると、やや手間がかかるけど、ここは手を抜かずにしっかりやってます。
そして直腸脱手術
さらに、↑直腸脱手術を2例行いました。
手術自体は安定しており、想定外の事態はまず起こりません。
ただし直腸脱の患者さんは、全身状態のよくない高齢者が大半なので、術後の経過に注意を要します。
・・・ということで、今週は9例の手術を行いました。
週に9例の手術って、去年の6月にいちど経験して以来です。
この週は、もともと7例手術の予定でした。
でも直腸脱手術を急ぎで2件押し込んでしまったので、「週に9例手術」という惨状(笑)に至った次第です。
直腸脱の患者さんは苦痛が強いので、何か月も待たせるわけにはいかないから、受診したら早目に手術する必要があるんですね。
この週はたまたま、他に手術予約がそんなに入ってなくて、押し込める枠が二つあったということです。
去年は6月に、「怒涛の6月」がありましたが・・・
今回は「怒涛の12月」だったということで(笑)
まあ、手術をたくさんやるのは、別に苦にはなりません。
これが「怒涛の外来・一日中しゃべりっぱなし」とかだったら、抜け殻みたいになってたでしょう。
私にかぎらず外科系の医者って、「手術はいくらやっても構わないけど、外来は・・・(汗)」みたいな人ばっかりなんですけどね(笑)
外来が好きな医者は、最初から内科をやってます。
直腸脱の手術は早くする必要がある。
直腸脱の患者さんは、苦痛が強いので、できるだけ早く手術できるよう努力しています。
(参考:子宮脱と直腸脱はどっちがつらいの? これはもう明らかに・・・)
術前検査をなるべく短時間で完了させて・・・
手術はなるべく枠を確保しやすい経肛門手術にして・・・
そうやって手術室主任にお願いして・・・
手術枠の隙間をみつけて予約を押し込むんです。
ただし子宮脱+直腸脱の場合は難しい・・・
ただし、↑子宮脱+直腸脱の場合には、この手がつかえません。
この手術は時間がかかるから、隙間を見つけて予約を押し込むことができないんです。
でも、直腸と子宮が両方脱出してるんだから、何か月も待つのはつらいですよね。
なるべく待ち時間が短くなるように、「手術繰り上げリスト」に載せておいて、キャンセルがでたら優先的に繰り上げるようにしています。
赤木一成 辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科