手術を受ける方の不安を軽くする言葉。今週の骨盤臓器脱手術は8例。

↑病棟ラウンジです。以前は入院中のご婦人たちがミーティング(笑)してました。
(いまはコロナで利用が制限されています)

 

おはようございます。

辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科医師の赤木一成です。

 

週末なので、「一週間の骨盤臓器脱手術記録」を書きます。

患者さんを特定できないよう配慮して、数週間前の日常を描写しています。

 

手術を8例行いました。

この週は、子宮脱膀胱瘤の手術を7例行いました。

 

さらに、腰椎麻酔(下半身麻酔)で行える小手術を、1例行いました。

 

皆さん特に問題なく経過して、大体予定通りの退院です。

 

この週は、手術で特記すべきことは無かったんですけど、外来でちょっと困った患者さんが受診してきました。

 

不安が強い人

 

↑こちらは、数か月後に骨盤臓器脱手術を予定しているAさんです。

 

この方、手術の不安が強いんです。

指定してない日に何度も受診してきて、延々と質問してきたり、「手術しても大丈夫ですか?」と繰り返します。

 

 

不安をなんとかしたい気持ちは分かります。

十分時間を割いて、じっくり話を聞いてほしいことでしょう。

 

でもですね、外来は混雑してるから、一人に割ける時間は決まっています。

 

だからなるべく短時間で、患者さんの不安を取り除いてあげる必要があります。

 

・・・ということでワタクシ、このような時には、以下の二つのことを話すようにしています。

 

不安が軽くなる二つの言葉・・・

 

①約99%の方はだいたい予定通りに退院してます。

一週間の入院スケジュール(日曜入院、火曜手術の場合)

 

まず、手術を受けた方のうち約99%は、大きなトラブル無く、だいたい予定通りに(約一週間)退院していきます。

 

入院期間が大幅延長になるような「重大トラブル」は、めったに起こりません。

(重度の臓器損傷とか、大量出血とか)

当院では年間400件以上の骨盤臓器脱手術・直腸脱手術を行っていますが、そのような人は年に1人いるかいないかという感じです。

 

もちろん、小さいトラブルはときどき起こるんですよ。

よくあるトラブルは、↓以下の三つです。

 

便秘

まず、圧倒的に多いトラブルは、「便秘」です。

入院して環境が変わって、術後に安静が必要だから、だれでも便秘気味になるんです。

これは下剤で解決します。

 

排尿の異常

次に多いのが「排尿が落ち着かない」という訴えです。

これは手術操作とか、下がっていた膀胱が正しい位置に戻るとかで、膀胱が刺激を受けるのが原因です。

これも内服薬で対処することで、いずれ改善してきます。

 

痛み

「痛み」はどうでしょう?

手術ですから、多少の痛みはもちろんあります。

でも、痛みは退院する頃には大体軽快し、いずれ必ず消失します。

 

②骨盤臓器脱の仲間が何人も入院してますよ。

 

↑これは、ワタクシの週間手術予定です。

骨盤臓器脱手術は週7件、その他小手術(直腸粘膜脱・TOT手術・痔核手術など)も週1~2件おこなっています。

 

大半の人は一週間入院なんですけど、遠方にお住まいとか、「インスリン」や「抗血栓薬」のコントロールとかで、標準より長く入院してる方もいらっしゃいます。

 

ということで6階の女性病棟には、骨盤臓器脱関係の患者さんが、常時7~10人ほど入院しています。

あなたと同じ手術を受けた仲間・受ける予定の仲間が、何人もいらっしゃるということですね。

あなたは一人ではありません。

 

どうですか?

ほとんどの方は、このお話をすると安心されるようです。

あなたもそうだといいのですが・・・

 

 

赤木一成

辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科