骨盤臓器脱手術後に、運動や仕事はいつから再開できる? 今週は7例

天気のいい日には筑波山がよく見えます・・・

 

おはようございます。

辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科医師の赤木一成です。

 

週末なので、「一週間の骨盤臓器脱手術記録」を書きます。

患者さんを特定できないよう配慮して、数週間前の日常を描写しています。

 

手術を7例行いました。

この週は、↑子宮脱+膀胱瘤の手術を7例行いました。

手術は全員問題なく完了し、術後もみなさん問題なく予定通りの退院です。

 

ということで、手術に関しては、特記すべきことは無かったんですけど・・・

外来が、ややグダグダ気味(笑)でした。

 

それはなぜかと言いますと・・・

「術後の生活注意事項についての質問」がやたら多かったんですよね。

 

この点について、ちょっと触れてみることにします。

 

術後の生活注意事項説明用紙

 

↑これは、骨盤臓器脱手術を受けた方全員に、お渡ししている用紙です。

患者さんの術後生活について、注意事項をまとめて、2枚の用紙にしています。

 

内容は、10年にわたって洗練改良を重ねてきています。

もし生活注意事項で疑問がおありでしたら、まずこの用紙をチェックしてくださいませ。

知りたいことの大半は、この用紙に書かれているはずです。

 

術後に来る質問で多いのはこの二つ。

 

こうやって、説明用紙を渡してるんですけど・・・

やっぱりそれでも質問は来ます。まあ当たり前ですけどね。

 

術後の質問で多いのは、以下の二つです。

 

①運動はいつから再開できる?

②仕事はいつから復帰可能?

 

それぞれについて、少し解説してみます。

 

①運動はいつから再開できる?

 

まず「運動」についてですけど・・・

ワタクシ全員一律で、「二か月間ひかえてください」と申し上げてます。

 

 

運動っていろいろあるから、一律で「二か月お休み」はおかしいんじゃないの?

 

そんな疑問を抱かれる方も、いらっしゃるかもしれませんね。

 

 

ええ、もちろんそれは百も承知です。

たとえばウォーキングとテニスでは、運動負荷はだいぶ違うでしょうしね。

 

でもですね・・・

運動の種類別に、お休み期間を変えるなんて、非現実的なんですよね。

一人一人に違うことを伝えていたら、混乱のもとになってしまいます。

 

そもそも「骨盤臓器脱術後に、運動種類別にどれくらい休養が必要か」なんて、エビデンス自体が存在しません。

(エビデンスって、「研究で裏付けられた、医学的に妥当な根拠」とでもいう意味です)

 

だから医師の経験にもとづいて、「これくらいかなー」と、決めるしかないんです。

 

ということでワタクシの場合、運動に関しては、「二か月」で統一しています。

ちょっと長いと思う人もいるかもしれないけど、趣味なんだから別にいいじゃないですか(笑)

 

②仕事はいつから復帰可能?

 

次に「仕事」についてです。

こちらは生活かかってますから、できるだけ個別相談に応じるようにしています。

 

原則として、「痛みが軽快して自信がつけば、職場復帰OK」としています。

 

ただし重いもの(5㎏以上)を持つような作業は、ある程度ひかえたほうがいいでしょう。

目安は、一か月くらいですかね。

しばらく事務仕事に回してもらえるなら、それがベストです。

 

 

赤木一成 

辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科