骨盤臓器脱新患の方への説明内容はワンパターン(笑) 今週の手術は7例

VSOP(Very Special One Pattern)を是としていますw

 

おはようございます。

辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科医師の赤木一成です。

 

週末なので、「一週間の骨盤臓器脱手術記録」を書きます。

患者さんを特定できないよう配慮して、数週間前の日常を描写しています。

 

手術を7例行いました。

この週は、子宮脱膀胱瘤の手術を6例行いました。

 

 

また、直腸脱手術を1例行いました。

 

全員問題なく経過し、ほぼ予定通りの退院です。

 

新患の方にいつも説明してること

 

↑これは、当院骨盤臓器脱外来を受診された方、全員にお渡ししている用紙です。

この用紙をお見せしながら、説明を進めていきます。

 

まず、骨盤臓器脱のタイプを説明する

まず説明するのは、患者さんの骨盤臓器脱のタイプです。

 

 

圧倒的に多いのは、「子宮脱+膀胱瘤」のタイプの骨盤臓器脱です。

全体の8割が、このタイプですね。

 

子宮脱や膀胱瘤が、単独で下がってくるケースは希です。

あとはたまに、膣脱(子宮摘出した人)とか、直腸瘤とか、直腸脱とかがあります。

 

次に、治療方針について説明する。

 

次に、治療方針についての説明です。

 

治療は大きく二つに分けられます。

①保存的治療
②手術

この①②について説明し、患者さんに治療方針を選んでいただくようにしています。

(こちらから手術を強要することは決してありません)

 

■保存的治療

①の保存的治療を希望された場合には、続いて「骨盤底筋体操」か「ペッサリー」のいずれかを選択します。

「骨盤底筋体操」は、ごく軽度の骨盤臓器脱が対象で、進行した骨盤臓器脱には無効です。

だから保存的治療の大半は、「ペッサリー」を選択することになります。

 

■手術

②の手術を希望された場合には、続いて術式を選択していただきます。

術式には、「膣側から行う手術(経腟手術)」と、「おなか側から行う手術(経腹手術)」があります。

 

どちらの術式にも、長所と短所があるので、それを説明した上で希望を聞きます。

基本的には・・・

性生活を重視する若い人(全体の数%)には経腹手術。
性生活を重視しない人(全体の9割以上)は経腟手術。

そんな感じで使い分けています。

(※例外としてマンチェスター手術があります)

 

ということで、いつも同じこと話してます(笑)

ということで・・・

ワタクシが新患の方に話す内容は、いつも↓こんな感じでワンパターンとなります。

 

 

診断は「子宮脱+膀胱瘤」です。

(病状に応じて「膣脱」とか「直腸瘤」とか適宜変更する)

治療には、保存的治療と手術があります。

保存的治療は「骨盤臓器脱と付き合っていく方法」で、これで治ることはありません。

根本的に治すには手術が必要です。

 

たぶん、ワタクシの外来を初めて受診した方は、この言葉をそのまんま(笑)聞かされることになるでしょう。

自分はどうしたいか、あらかじめ決めておくことをお勧めします。

 

 

赤木一成

辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科