臓器脱手術を迷ってる方へ:強要しません。背中押しません。今週は7例

これ好きでした上島さん・・・

 

おはようございます。

辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科医師の赤木一成です。

 

週末なので、「一週間の骨盤臓器脱手術記録」を書きます。

患者さんを特定できないよう配慮して、数週間前の日常を描写しています。

 

手術を7例行いました。

この週は、子宮脱膀胱瘤の手術を7例行いました。

 

手術が難しいケースが1例ありましたが、術後は全員問題なく経過し、予定通りの退院です。

 

手術は強要しないし、背中も押しません。

この週は、対照的な患者さんが受診してこられました。

印象的な出来事だったので、その時の状況を描写してみます。

 

「手術を強要されるんじゃないか」と不安に思ってたAさん。

こちらは、骨盤臓器脱外来を受診されたAさんです。

 

子宮脱で長年悩んでたけど、「手術を強要されるんじゃないか」と不安で、なかなか受診を決心できなかったとのことでした。

 

 

いえいえ、その心配は全くありませんよ。

ワタクシ、まずきちんと説明して、治療方針は患者さんに決めていただくようにしてます。

 

手術を強要したり、手術を受けるよう説得するようなことは、決してありません。

(そもそも外来は大忙しだから、そんなことする時間が無いですw)

 

 

仮にですよ、(決してありえないけど)もし手術を強要されて、予約入れる羽目になっても・・・

あとで↑キャンセルの電話を入れたらそれで終わりじゃないですか。

 

だから、そんなこと不安に思う必要は全くありませんよ。

どうぞ安心して受診して下さいませ・・・

 

自分で決断できないBさん。

 

続いて、Bさんが入ってこられました。

娘さんと一緒に来院です。

 

Aさんと同じく、子宮脱の診断でした。

ペッサリーを試してみたけど、すぐ脱落したとのことで、あとは手術しかありません。

 

 

いつもの説明を行って、どうするか決めてもらおうとしたんですけど・・・

Bさん、なかなか決断することができません。

 

ふつう、娘さんと一緒に受診されるケースはすぐ方針決まることが多いんですけど、Bさんはなかなか決断できません。

 

迷った挙句Bさん・・・

「先生が決めてくれないんですか?」と言い始めました。

 

 

どうやらBさん、手術受けたいけど決断できなくて、私に背中を押してほしいみたいです。

「大丈夫だから、一緒に手術頑張りましょう!」とか言ってもらったら、確かに心強いですよね。

 

でもですね・・・

ワタクシこんな時、中立を保つことにしています。

患者さんの背中を押すことはしません(もちろん私の意見は伝えますよ)

 

 

これって、過去の経験が関係しています。

こういう時、患者さんの背中を押してあげたら、あとでトラブルの種になりかねないんですよね。

 

そもそも「絶対安全で、再発可能性ゼロの手術」など存在しないんだから・・・

私が背中を押した患者さんで、もし合併症や再発が起こったら、↓「先生に勧められたから手術受けたのに!」などと責められかねないんです。

(どの医者も、似たような経験してるはずです)

 

 

だから手術を受けるかどうかって、「患者さん本人が、自分の意志で決めていただくこと」が大事だと思っています。

 

ということでワタクシ、自分で決めきれない患者さんは、いったんお帰りいただくようにしています。

よく考えて決心したら、あらためて受診して下さいませ・・・

 

 

赤木一成

辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科