骨盤臓器脱術後に使う下剤のお話と、私の長年の疑問。

どこに停めろっちゅーんじゃ(笑)

 

 

おはようございます。

辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科医師の、赤木一成です。

 

今回は、「便秘と下剤」について、お話させていただきます。

よろしければ、お付き合いください。

 

入院中に用いる下剤

骨盤臓器脱の術後数日間は、多くの人が便秘になります。

  • 入院して生活環境が変わること
  • 術後しばらくの間、あんまり歩けないこと

このへんが理由です。

 

だから入院中は、全員に↓酸化マグネシウムという下剤を処方してます。

 

PTP(1シート表裏)

 

これは効きが穏やかで、習慣性も無いので、まず最初に選択される薬です。

 

 

これでも便秘が改善しない場合には・・・

↓つぎはアローゼンという、刺激性の下剤を追加処方します。

 

 

酸化マグネシウムと比べると、こちらの方が効果が強いです。

ただし習慣性があるので、延々と続けるのはよくありません。

期間限定で使用する薬です。

 

 

ここまでやれば、ほとんどの人は便秘が解消されます。

 

でもたまーに、重症便秘の人がいるので・・・

その場合には、他にもいろんな薬があるので、その辺を使っていくことになります(めったにないですが)

 

退院後に用いる下剤

 

退院するとき

 

退院するときには、「退院処方」として、さきほどの酸化マグネシウム(たまにアローゼンも)が処方されます。

 

この下剤は、便通の状態を見ながら、少しずつ減らしていって構いません。

便秘は退院後に徐々に改善してゆき、入院前の状態に戻ります。

 

退院後の外来受診

 

退院後1回目の受診は、退院してから3週間後です。

 

診察を行ってから、患者さんの希望に応じて、下剤を追加処方します。

2回目の受診まで持つように、3か月分処方するということですね。

(希望に応じて少なめに処方するのもOKですよ)

 

私の長年の疑問

このとき、個人的に気になってることがあってですね・・・

 

 

酸化マグネシウムは1日6錠服用(3錠の人もいる)

3か月(90日)後の2回目受診まで処方したら540錠。

これが1日10人ちかく出る日もありまして

 

あとは消化器内科とか肛門科も、酸化マグネシウムをたくさん処方するだろうから・・・

 

「辻仲病院の門前薬局は、在庫大丈夫なんやろか?」みたいな余計な心配してる、今日この頃です(笑)

(下手したら一日10000錠とか出てそう)

 

 

赤木一成

辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科