骨盤臓器脱手術を受ける患者さんに飲んでいただく下剤の話。

 

わたし、子宮脱の手術を受ける予定です。

もともと便秘なんだけど大丈夫?

こんな疑問に答えます。

 

 

おはようございます。

辻仲病院柏の葉 骨盤臓器脱外科医師の赤木一成です。

 

骨盤臓器脱の手術を受けた後、だいたい4~5日間ほど入院していただきます。

その間にもっともよくあるトラブルが、この便秘です。

 

便秘予防で使っているお薬について、説明させていただきます。

 

骨盤臓器脱手術を受ける人に処方する便秘薬:緩下剤

画像引用:吉田製薬

 

これは緩下剤(かんげざい)と言いまして、便を柔らかくして出やすくする薬です。

効きがおだやかで、習慣性も無いから長期間使えるので、基本となる薬です。

 

この薬は1日3回、朝昼夕食後に飲んでいただきます。

 

もともと便秘がない人でも、入院したら生活環境が変わるので、だいたい便秘気味になるんです。

だからこのお薬は、骨盤臓器脱手術を受ける患者さん全員に飲んでいただくようにしています。

 

これでも便秘する人に:刺激性の下剤

画像引用:サンファーマ

 

酸化マグネシウムを飲んでも便秘する人では、この「刺激性下剤」を追加します。

この薬は1日1回、夕食後に飲んでいただきます。

 

この薬は効果は強いけど、習慣性があるので、短期間に限定して使います。

 

便が直腸まで来て出にくくなっている人に:炭酸ガスの坐薬

画像引用:ゼリア新薬

 

便が直腸まで来て、詰まった状態になって、出にくくなっている人がいます。

このような場合には、この坐薬(われわれは「レシカル」と呼んでます)を使います。

 

この坐薬を使って、上記の「刺激性下剤」を追加したら、たいてい便秘は解決します。

 

それでも便秘する人は・・・食物繊維のサプリメント

画像引用:大塚製薬

 

これでも便秘が解消しない人が、たまーにいます。

大変ですね。

 

このような場合には、食物繊維のサプリメント(健康食品)が8階売店に売っているので、それを買って飲んでもらうようにしています。

ここまでやれば、骨盤臓器脱手術を受ける患者さんの便秘は、全員解決しています。

 

骨盤臓器脱手術を受けた方:退院後の便秘薬はどうする?

 

退院後は、酸化マグネシウムを持って帰ってもらいます。

 

3週間後の外来受診の時に、排便状態を確認して、各自の状況に応じて減らしていくことになります。

 

赤木一成 辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科