おはようございます。
脱クリニック・赤木一成です。
今回は、たまーにいただく
「骨盤臓器脱手術の時に子宮を取って欲しい」という相談について、お話しさせていただきます。

この相談をいただく理由って、大きく2つのパターンがありまして
それぞれのパターンで、対処法は異なります。
(医師によって考え方はいろいろなので、ここでは私のスタンスを示してみます)
目次
①「子宮筋腫を同時に治したい」のであれば、腹腔鏡手術をお勧めしてます
まず
子宮筋腫があるから、骨盤臓器脱手術の際に、子宮を取ってほしい
というリクエストについて。
この場合の対処法って、いくつかあるんですケレドモ・・・
当院では、「腹腔鏡下仙骨膣固定術」をおすすめしています。
(ただし体内にメッシュを留置する必要あり)

↑子宮筋腫の大半は、子宮体部にできます。

腹腔鏡下仙骨膣固定術では、通常、子宮を取ります。
この時、↑子宮体部を取って、子宮頸部は残します(子宮上部切断)
だからこの時点で、子宮筋腫も同時に治せるということですね。

続いて、子宮頸部~膣を、図のようなY字型メッシュで覆って縫い付けます。

メッシュの片方の端を、仙骨に固定して、完成。
と、いうことで。
「子宮筋腫を治す」「骨盤臓器脱を治す」という二つの目的を、同時に達成できるわけですね。
②「検診で異形成が出てるから、子宮を取って欲しい」というケースは・・・
つぎに
検診で「子宮頸部異形成」が出てるから、骨盤臓器脱手術の時に、子宮も取ってほしい
というリクエストについて。
実際このような患者さん、年に数名いらっしゃいます。
当院では「メッシュ無し子宮温存手術」をお勧めしてます

こういう場合の対処法、諸説あるんですケレドモ・・・
当院では、婦人科の先生と相談した上で、↑「メッシュ無し子宮温存手術」をおすすめしています。
骨盤臓器脱の術後も、定期的に子宮がん検診を受けていただいて・・・
もし将来、子宮頸がんが見つかって、子宮全摘が必要となったとしても・・・
メッシュを使う場合と比べたら、対処はしやすいはずですからね。
(実際には、子宮頸がんに進行したケースは、いままで経験してないんですが)
腹腔鏡下仙骨膣固定術を行うのは危険かも
子宮頸部異形成がある方に、腹腔鏡下仙骨膣固定術を行うのは、危険だと考えます。
(TVM手術〔経腟メッシュ手術〕も同じこと)

↑子宮頸部異形成は子宮頸部にできるから、子宮頸部を残してメッシュで覆ってしまうと・・・
将来もし子宮頸がんが見つかった時に、メッシュの癒着で手術が大変になるでしょうからね。
腹腔鏡下仙骨膣固定術の際に、子宮体部と子宮頸部を両方取ってしまう(子宮全摘)という手もありますが・・・
そこまでやってしまうと
「手術の難度や侵襲(ダメージ)が格段に高くなる」
「メッシュ露出のリスクが高くなる」
などの問題が起こります。
(私はこの手術やってないので、婦人科ドクターの受け売りですが・・・)
従来法で、子宮を全部取ってしまえばいいのでは?

↑「従来法なら、膣側から子宮をぜんぶ取るから、これでいいんじゃね?」という意見が出たこともあります。
たしかにそれなら、子宮頸部異形成も、骨盤臓器脱も、同時に解決しますよね。
ただしこの従来法、「手間がかかって侵襲(ダメージ)が大きい割に、再発が多い」
という理由で、当院では淘汰された経緯があります。
「子宮を取ってしまうメリット」vs.「手間・侵襲・再発のデメリット」をはかりにかけて・・・
前者を重視したいのであれば、(私はやってませんが)従来法もアリかもしれませんね。
ただしこの従来法って、子宮が大きく出てるタイプならいいんですけど・・・
膀胱瘤メインで、子宮脱が軽度のケースには、行うことができません。
(ベテラン婦人科Dr.ならできるのかもしれませんが)

以上です。
今回はマニアックすぎた気がいたします。
失礼しました・・・
赤木一成 脱クリニック