骨盤臓器脱の手術経験数が1500例到達。直近100例の振り返り。

↑当院一階ロビーです

 

おはようございます。

辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科医師の赤木一成です。

当院は2010年から骨盤臓器脱手術に本格的に取り組み、10年が経過しました。

 

 

今回はわたくし事で恐縮ですが・・・

わたくしの骨盤臓器脱(子宮脱・膀胱瘤直腸瘤手術の経験数が、1500例に到達しました。

すべて術者としての経験数です。

 

直腸脱の手術は最近数えてませんが、年間40例くらい手がけている(昨年は44例)ので、累積手術件数は300~400例くらいではないかと思われます。

 

骨盤臓器脱(子宮脱・膀胱瘤・直腸瘤)の手術:1400例から1500例の間で起こったこと。

↑手術室スタッフたちが祝ってくれました(笑)

 

直近100例(1400例~1500例)の、骨盤臓器脱手術症例の手術記録・入院サマリーを見返してみました。

 

手術自体の重大トラブル(再手術を要する臓器損傷、輸血を要する大量出血など)はありませんでした。

 

術後の排尿トラブルで退院延期になった方が、一人いました。

もともと膀胱収縮力が弱い人が、手術で刺激を受けると、膀胱機能の回復が遅くなることがあるんです。

入院期間が数日伸びましたが、自然に回復して退院されました。

 

また、手術手技とは関係ない、心肺系の合併症が1件ありました。

当院では、麻酔科ドクター・内科ドクター・私の三人が、手術患者さんの安全管理を行っています。

それでも(とくに高齢者は)想定外の事態が起こる可能性があるんです。全力で対処するしかありません。

 

これ以外の患者さんは、特記すべきトラブルはなく、ほぼ予定通りの退院でした。

「まだ排尿排便が落ち着かない」「まだ痛みが残る」などの理由で、退院が1~2日延長したのは、「ほぼ予定通りの退院」に含めています。

 

コロナ禍の影響で、黙々と手術にはげむ日々です。

 

生活パターンは、ここ数年かわってません。

ずーっと同じような生活を繰り返してます。

月曜から金曜まで、同じような手術が行われ、術後もほぼ予定通りに経過していきます。

 

とくに2020年からは、コロナ禍の影響で、「生活のパターン化」が加速しました。

学会とか懇親会とか勉強会とか面談とかが消滅して、外向きの仕事が無くなったので、内向きの仕事(手術、外来、病棟、内視鏡)に集中しやすくなったんです。

 

外向きの仕事が好きな人には、つらい時代かもしれませんね。

いっぽう当院の医師は、さほど苦にしてないように見えます。

ちなみに私は平気です(笑) 

コロナが終息するまでは、外向きの仕事は最小限にして、感染拡大を防ぎましょう。

 

「こんな単調な生活でいいの?」と思われるかもしれませんね。

それでいいんです。

はたから見たら単調で退屈に見えるかもしれないけど、同じことをひたすら繰り返す過程で、考え抜きながら数多くの工夫を加え続けています。

その結果、5年前10年前と比べて、安全性も成績も格段に進化したわけですから。

 

赤木一成:辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科