手術希望の方からよくいただく質問と、ご遠慮願いたい質問(笑)

 

 

おはようございます。

辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科医師の、赤木一成です。

 

今回は、「よくいただく質問」そして「ご遠慮願いたい質問」について、お話させていただきます。

よろしければ、お付き合いください。

 

多い質問トップ3はなに?

 

今回は、骨盤臓器脱(子宮脱・膀胱瘤・直腸瘤・膣脱)手術について、お話させていただきます。

(直腸脱はまた話がちがってくるので、いずれ機会があれば)

 

患者さんからいただく質問で、圧倒的に多いのは、↓以下の3つです。

 

まあ私が手術受ける時も、この3つを知りたいと思うでしょうからね(笑)

 

①手術すれば治るの?

 

もっとも多い質問は、やっぱりこれです(笑)

 

これは「99%の人は一発で治ります」とお答えしてます。

 

ワタクシここ2年の成績では、骨盤臓器脱手術を約530例手がけてて、いまのところ再発2例。

現時点での再発率は約0.4%です。

 

将来もう少し再発が出てくる可能性を加味しても、再発率は1%程度になると思われるので、いつもこう言うようにしています。

 

②手術は安全なの?

 

「重度の合併症が起こる確率は、500例中1例くらい」とお答えしてます。

 

この重度合併症の代表例は、「臓器損傷」と「多量出血」です。

 

このうち臓器損傷は、ここ2年半くらい起こっていません。

また、輸血を要するほどの多量出血は、過去2300例中3例です。

まあ、「滅多に起こらない」と思っててよろしいかと。

 

あとは、麻酔の心配をされる方も、たまにいらっしゃいますね。

麻酔はきわめて安全で、これまで事故が起こったことはありません。

 

③入院期間は?伸びることはあるの?

 

現時点での標準入院期間は、「一週間(7泊)」です。

(これは将来技術が進化したら、もっと短くなるかもしれません)

 

入院期間が長くなるケースの代表例は、以下の三つです。

 

抗血栓薬(サラサラの薬)飲んでる人とか、重度の糖尿病がある人。

ヘパリン(点滴の抗血栓薬)とかインスリン(注射の糖尿病薬)を使う場合には、早目の入院が必要となるので、その分入院期間が長くなることがあります。

 

同時に痔核手術を受ける人

この場合、傷が増えるので、そのぶん長目の入院をお勧めしています。

 

まあ、経過次第ではありますけどね。

 

術後に排尿困難が起こった人

術後4日目に、おしっこの管(バルーンカテーテル)を抜きます。

この時、尿がうまく出せない人がいます。

発生頻度は、100人中1人くらいですね。

 

膀胱の収縮力がもともと弱い人に、さらに手術の刺激が加わることで、排尿機能の回復が遅れることがあるんです。

 

この場合・・・

  • おしっこの管(バルーンカテーテル)の留置期間を延長して、膀胱の休憩を延長する。
  • 膀胱機能を回復させる薬を開始する。

この二つで、いずれ回復してきます。

 

この質問はご遠慮願いたい(笑)

 

ご遠慮願いたい質問もあります。それは・・・

 

↑「簡単な手術ですか?」というやつ(笑)

 

理由は、こちらをご覧くださいませ。

最近は少ないですが、いまだにこれ聞いてくる人がいます。

 

以前は真面目に

「簡単な手術は存在しません。どんな手術にも一定のリスクはあります」と応えてたんですが(参考)・・・

 

最近では、忙しい時とかだと・・・

「いえ簡単じゃないです」みたいに、即答で終わらせたりすることもあります(失礼)

 

 

 

気に障ったかたもいらっしゃるかもしれませんね。どうかご容赦ください・・・

 

 

赤木一成

辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科