わたし、膀胱瘤の手術を考えているんです。
手術はどんな体位で行うのかしら。 10年前に人工股関節の手術を受けてるんですけど、子宮脱の手術は受けられますか? |
こんな疑問に答えます。
おはようございます。
今回は手術体位の話をします。
年間200人以上の骨盤臓器脱手術を行ってるんですけど、年に10~20人ほど、人工股関節が入ってる人がいます(けっこう多いんです)
今日はこのような場合の対処についてお話いたします。
骨盤臓器脱の手術は、お産の時と同じ体位で行います。
MIZUHO社様のサイトより引用
骨盤臓器脱の経腟手術は、載石位という体位で行います。
これって、お産の時の体位とおなじです。
↑写真のような器具を使って、両足を挙上するんですね。
この器具、単に「足を乗っけて上げるだけ」のように見えるけど、いろいろ注意事項があるんです。
人工股関節が入ってても、ほとんどは問題なく手術できます。
まず言うまでもないことだけど、固定が不十分だと足が落下して、事故を起こしてしまいます。
器械がきちんと固定されていることを確認するのは当然ですね。
次に、器具の赤いところに下腿をきれいに乗せないと、神経や血管が圧迫されて、麻痺の原因になります。
だからここも必ず確認しています。
さいごに、「過去に股関節手術を受けた人」の対処について。
この場合、麻酔かけてから足を挙上すると、股関節を痛める可能性があります。
だから麻酔前の意識がある状態で、痛くないことを確認しながら、慎重に足を挙上していくんです。
これらの手順を守ることで、いままでこの「体位」でトラブルが起こったことはありません。
股関節が片方しか曲がらない人でも、手術できています。
股関節が片方しか曲がらない人の手術を、いままで3人行っています。
片足が伸びたままでやるので、簡単ではなかったですが、いずれも問題なくできました。
技術の進化で、いまではこんな人でも手術できます。ご相談ください。
赤木一成 辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科