子宮脱は運動や体操で予防できる?

診察を受けて、子宮脱が無いとわかって、ほっとしました。

今後も子宮脱にならないように、予防する体操ってないんですか?

診察を終えた患者さんからの、こんな質問に答えます。

 

 

おはようございます。

辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科医師の赤木一成です。

 

ときどき、こんな質問をいただきます。

「子宮脱にならないように、体操とかないんですか?」

 

私はこう言ってます。

「あるにはあるけど、それよりも、今までやってた運動を続けるのが一番ですよ」

 

別に手抜きしてるわけじゃないんです。

「子宮脱予防」だけを目的とした体操なんて、始めたところで長続きしないと思ってるんです。

 

子宮脱予防だけを目的とした運動や体操なんて、長続きしませんよ。

 

「子宮脱にならないように、なにか体操をやりたい」という気持ち、もちろん理解できます。

 

でも病気って、子宮脱だけじゃありません。

子宮脱以外にも、たくさん病気があって、いろんな予防体操があります。

 

肩こり予防体操、片頭痛予防体操、転倒予防体操、腰痛予防体操、膝の痛み予防体操、血栓予防体操・・・

ちょっと調べただけでも、こんなにありました。

 

ひとつひとつの病気に対し、いちいち予防法を行っていたら、キリがありません。

子宮脱予防だけをターゲットにした体操なんて、どうせ続かないんじゃないでしょうか。

 

そもそも、どんな運動であれ、何年も継続できてる人って少ないんじゃないでしょうか。

 

いままでやってた運動があれば、それを続けていくのが一番です。

 

 

運動って、なんでもいいから「続けること」が大事です。

続けることが一番難しいんですから。

 

「どの運動が効果的か」というのは、重要ではありません。

いくら効果的でも、続かなければ無意味です。

それより、なんでもいいから「自分が続けられる運動」を見つけること。

 

こんなこと言ったら怒られるかもしれないけど、将来子宮脱になっても、手術すれば治ります。

癌や脳卒中だと取り返しがつかないかもしれないけど、子宮脱はそうじゃないんです。

 

「子宮脱予防の体操」より、もっと時間を割くべきことが、あなたの人生にはいくらでもあるんじゃないでしょうか?

 

だから、いままでやってた運動を続けていくのが、一番いいと思います。

子宮脱予防のみならず、いろんな病気の予防になるからです。

 

「子宮脱」だけじゃなく「健康」という大きな枠組みで取り組みましょう。

 

高血圧とか、糖尿病とか、心臓病とか、脳卒中とか、癌とか・・・

成人病ってたくさんありますが、基本的な予防法って、ほとんど共通しています。

 

運動・適正体重・禁煙・節酒・塩分ひかえめ。

結局これくらいなんです。

みなさんご存じですよね。

(胃癌のピロリとか、大腸癌のポリープとか、各論はありますが)

 

このへんを守っていけば、子宮脱のみならず、あらゆる成人病の予防になります。

 

「子宮脱」だけで考えるより、「健康」という大きな枠組みで取り組んだ方が、きっとたくさんのメリットがあるはずです。

 

赤木一成 辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科