おはようございます。
骨盤臓器脱外科医師の、赤木一成です。
今回は、「骨盤臓器脱の症状」について、お話させていただきます。
目次
骨盤臓器脱は、軽症の時点では症状が無いことが多い。
子宮脱や膀胱瘤などの骨盤臓器脱は、↑軽症の時点では、症状がないことが多いです。
自覚症状が無いんだから、特に治療も必要ありません。
脱出を自覚しなくても、違和感や異物感を感じることがある。
そして骨盤臓器脱がある程度進行してくると、違和感や異物感などを感じることがあります。
- なにかが下がってくるような感じ
- 陰部が引っ張られているような感じ
- 異物が膣に入っているような感じ
- 何かがはさまっているような感じ
- 重苦しいような感じ
このような訴えが起こることがあります。
骨盤臓器脱が進行したら、脱出を自覚するようになる。
子宮脱膀胱瘤がある程度進行してきたら、脱出を自覚するようになります。
よくある訴えとしては・・・
- 脱出してくる
- ピンポン球みたいなものを触れる
などがあります。
性行為の時に違和感や痛みを感じることもある。
性行為の時に、痛みや違和感を感じる、という症状もあります。
ただしこの訴えは、とっても少ないですね。
(言いづらいのかもしれません)
重症化すると、下着とこすれて出血するようになる。
骨盤臓器脱の脱出がさらに進行すると、下着とこすれて出血するようになります。
膣の粘膜が乾燥してガビガビになってきます。
ここまで来たら、かなり重症と考えていいです。
腰痛や下腹部痛が起こる人もいる。
骨盤臓器脱がある方では、腰痛や下腹部痛を訴える人もいます。
ただしこれは、必ずしも骨盤臓器脱が原因であるとは限りません。
腰椎ヘルニアとか、消化器の病気みたいに、他の原因で生じている可能性もあります。
頻尿・残尿感・排尿困難・尿失禁などを伴うこともよくある
膀胱瘤では膀胱が下がったり(青矢印)、尿道が圧迫されたりするため(赤矢印)、排尿異常を伴うこともあります。
- 排尿困難
- 頻尿
- トイレが近い
- 残尿感
- 膀胱炎を繰り返す
- 尿失禁・・・
などの症状が起こります。
排便困難、残便感などの排便障害を起こすこともある
直腸瘤では、排便障害の症状を生じることも良くあります。
- 残便感
- 便がひっかかる
- 排便時に肛門周囲を指で押さえる
などの症状があります。
骨盤臓器脱の症状は、午後~夕方に悪化してくる。
子宮脱や膀胱瘤などの骨盤臓器脱を有する人に共通する症状は、「寝てる時や朝は調子が良くて、午後~夕方になるにつれて調子が悪くなってくる」ということです。
夜は横になって寝ているので臓器が体内におさまっており、日中活動するにしたがって臓器が重力で脱出してくるようになるわけです。
自然に良くなることは無く、普通は年とともに悪化してくる。
この子宮脱や膀胱瘤は、自然に良くなることはありません。
症状は年とともに、徐々に悪化してくることが普通です。
これらの症状を感じたら、いちど病院受診をおすすめします。
赤木一成 骨盤臓器脱外科医師