骨盤臓器脱外科における「リストラ」のおはなし。

 

おはようございます。

辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科医師の、赤木一成です。

 

今回のテーマは、当院骨盤臓器脱外科における「リストラ」のお話です。

よろしければ、お付き合いください。

 

骨盤臓器脱外科の「リストラ」について

 

「え、スタッフを解雇してるってこと?」

と、思った方もいらっしゃるかもしれませんね。

 

いえいえ、そうじゃないですよ(笑)

今回のお話は、「手術とか診療」に関するリストラのお話です・・・

 

手術器具のリストラ

 

↑これは、ワタクシが骨盤臓器脱手術を行う際に、使用している器具類です。

 

最初はもっと多かったんですけど、使用頻度の低い器具をリストラしてゆき、現在の布陣になりました。

 

いったんこのテーブルの上に広げた器具は、まったく出番がなくても、マニュアルどおりの洗浄や滅菌作業が必要です。

だから器具が減ることによって、スタッフの負担を減らすことができるんです。

 

 

 

ここ十数年で最大のリストラ対象は、やっぱり「メッシュ」です。

 

初期には↑米国製のメッシュを使ってたんですけど、技術改良を続けた結果、経腟手術ではメッシュを使わず治せる時代になっています。

 

手術手順のリストラ

 

手術手順も、リストラの対象です。

 

 

手順が多くて複雑なほど、出血や損傷のリスクが高くなり、時間もかかり、スタッフも覚えにくくなるから、手順のリストラ(単純化)は大事です。

 

 

 

たとえば、穿刺(靭帯に糸を通す作業)について言えば・・・

 

初期には、↑6か所の穿刺が必要でした。

現在では、原則1か所(状況により2か所)の穿刺で、すべて対応できる時代です。

 

手術説明のリストラ

 

手術説明も、リストラ対象です。

 

説明時に話す内容を、1文字レベルで削減していって、極限までシンプルかつワンパターンを心がけています。

(長かったり複雑だったりすると、私も大変だし、患者さんも内容わすれちゃうんです)

 

外来のリストラ

 

最近ワタクシの外来は、混雑が常態化しています。

私の外来は、他医師の3倍くらいのスタッフ人数をつけて回してるんですけど、これでギリギリ・・・という感じです。

 

だから、いろいろな業務のリストラを進めています。

 

まず、いろんな作業のマニュアル化を徹底し、スタッフがいちいち考え悩む時間を減らします。

 

仕事の委譲も大事です。

私(医師)じゃなくてもできる仕事は、極力スタッフにやってもらうようにしています。

 

そして患者さんの通院回数も、リストラ対象です。

順調な人の通院回数を必要最小限とすることで、患者さんの通院にかかる手間や費用を削減できるし、外来混雑の緩和にも役立ちますからね。

(もちろん経過次第で通院回数が多くなる人もいるし、受診希望の人は予約OKですよ)

 

 

 

以上、十数年やり続けてきた過程で、いろんなリストラを進めてきたというお話でした。

 

 

赤木一成

辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科