おはようございます。
辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科医師の、赤木一成です。
今回は、「術後に急変はあるの?」というテーマについて、お話させていただきます。
よろしければ、お付き合いください。
術後の急変
「急変」
これって間違いなく、「医者が嫌いな言葉ランキング」トップを争う言葉でしょう(笑)
急変急患が続くと、お医者さんたち、↑こんなふうに荒んできます(笑)
いっぽう骨盤臓器脱外科の世界は・・・
有難いことに、急変急患は滅多にないです。
初期には一定頻度で、術後急変があったんですけど
工夫を重ねて技術が進化した結果、近年ほとんど遭遇しなくなりました。
もちろん、急変が全くゼロというわけじゃありませんよ(笑)
なんかあるとすれば、だいたい「出血」です。
年に3人とか4人とか、頻度はその程度ですかね。
手術翌日に、膣に留置してた圧迫ガーゼを抜くんですけど、このとき傷がこすれて出血することがあるんです。
この場合、ガーゼを抜いて30分後とかに、↑「出血してます」みたいな連絡が来ます。
出血の量は、通常そんなに多くありません。
また出血する部位は、痛みを感じない場所(膣壁)なので、ベッドサイドで即座に止血できます。
(いっぽう直腸肛門の出血は、痛みに敏感な場所なので、止血は手術室で麻酔かけて行う必要があります)
あと、たまーにあるのが、手術と関係ない急変(というかトラブル)です。
血圧高いとか転んだとか。
高齢者の方が多いから、やっぱりこんなのは一定頻度で起こります。
これは骨盤臓器脱に限らず、どの領域の手術でも同じです。
まあ、術前検査をきっちり行ってから手術に臨むので、重大な急変が起こることはほぼ皆無なんですけどね。
急変が減った結果
修練を重ねて腕が上がっていくと・・・
術後の急変や合併症が、ほとんど起こらなくなります。
かくして、病棟は平和(退屈?)になっていきます。
でもその価値を、スタッフ全員が認識してるかというと・・・
実は、そうとも限りません(笑)
何も起こらないと、ワタクシそんなに病棟に顔出す必要なくなるし
回診もいつも同じ手順で完了するから・・・
「あの先生ヒマそう」とか「ワンパターン」とか、思われてるんじゃないかと(笑)
私が理想とする病棟の姿
それは上記のごとく・・・
- 何も起こらない平和(退屈?)な病棟
- ワンパターンでほとんどやることない回診
です。
たまに若手医師で、↑「急変修羅場でやたら活き活き(?)」みたいな奴がいるけど・・・
ワタクシ、そんなのは御免こうむりたい派です(笑)
赤木一成
辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科