いやー乾燥しろと言われましても・・・
おはようございます。
辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科医師の赤木一成です。
週末なので、「一週間の骨盤臓器脱手術記録」を書きます。
患者さんを特定できないよう配慮して、数週間前の日常を描写しています。
手術を9例行いました。
この週は、子宮脱+膀胱瘤の手術を7例行いました。
また、直腸脱手術を2例行いました。
今年に入ってから、ワタクシ週9件の手術が常態化しています。
直腸脱手術が異常に増えたのが、その理由です。
ワタクシが週2~3件、他のドクターも週2~3件やってるんですけど、それでも次々と直腸脱の患者さんが訪れるんです。
一施設の直腸脱手術件数としては、ダントツの全国最多ではないかと・・・
いずれ沈静化してくるだろうと思ってるんですけど、どうなることやらですねえ。
ひとり、子宮脱の患者さんで、人工股関節が入っている方がいました。
特に問題なく体位がとれたので、普通に手術可能でした。
手術の体位
「わたし人工股関節が入ってるんだけど、子宮脱の手術できますか?」という問い合わせを、ときどきいただきます。
骨盤臓器脱手術の体位は、↑載石位(さいせきい)という姿勢で行います。
要は、お産するときの体位です。
ということで・・・
外来診察のときに、↑婦人科診察台にのって診察を行うんですけど、この診察台にのれる人なら手術可能です。
↑片方の股関節が曲がらない人の場合は、片足だけ挙上して手術します。
過去に3人ほど経験してますが、みなさん問題なく手術できました。
↑両方の膝(ヒザ)関節が曲がらない人もいました。
この場合、両膝を伸ばした状態で、両足を挙上して手術します。
一人だけ経験あるんですけど、この場合も問題なく手術できました。
↑両方の股関節が曲がらない人の場合には・・・
会陰側(股間側から)の手術が不可能なので、この場合「おなか側(腹腔鏡手術)」から手術するしかないんでしょうね。
(いままで経験したことないですが)
再発した?と思って駆け込んでくる人・・・
たまーに、「再発したかも・・・」といって、予定より早く受診してくる人がいます。
下が、骨盤臓器脱術後の状態です。
術後の経過は順調で、もちろん再発してません。
でも本人は、「さわってみたらでっぱりを触れたから、再発してると思う」とおっしゃいます。
なんでだと思いますか?
・・・・・・・・
実はこれ、たいてい↑外尿道口(おしっこの出口)を触れて、再発したように感じてるんです。
外尿道口って、すこし出っ張っているから、そう思う方がいらっしゃるんですね。
もちろん、女性全員にもともと存在している物ですから、異常ではありません。
↑断面図で言えば、青矢印の場所になります。
この「外尿道口を触れて再発したと思い込む人」って、年に何人かいらっしゃいます。
大丈夫。これは正常の構造です。問題ないですよ。
赤木一成 辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科