骨盤臓器脱外科医師の、赤木一成です。
今回は、「骨盤臓器脱術後の経過」について、お話いたします。
私、骨盤臓器脱の手術を考えているけど、不安です。
手術を受けた人はどんなふうになるのかしら?
手術を考えているのであれば、当然こんな疑問が出てきますよね。
ということで、ワタクシが手術した患者さんがどんな感じになるのか、描写してみることにしました。
ほぼ全員の方が、以下のような経過をたどります・・・
目次
手術当日は、全員やることは同じ
骨盤臓器脱手術は、朝9時から1例目がスタートします。2例目は11時頃になることが多いですね。
手術時間は1時間ちょっと。これに麻酔とか準備とか申し送りとかを合わせると、トータルで2時間くらいかかります。
手術が終わったら・・・
ベッドに横たわった状態で、6階病棟に戻ります。
この時はまだボーッとしてると思います。
6階病棟に帰ったら、一晩リカバリールームに入っていただきます。
ナースステーションの隣の部屋で、24時間モニターしつつ、安全性に万全を期すわけですね。
術後2~3時間くらいたったら、意識がしっかりしてきて、会話ができるようになります。
この頃には、多少痛みを感じるかもしれませんね。
術後に痛みがあるのは当然なので、遠慮なく痛み止めを希望してくださいませ。
15時~16時ごろに、ワタクシから術後の説明があります。
手術翌日からしばらく暇(笑)何かあるとしたら便秘と痛み
翌朝になったら、元の自分の部屋に戻っていただきます。
この日から、歩いたり食事したりできるようになります。
この時期になにかあるとしたら、「便秘」と「痛み」ですね。
便秘は下剤で、痛みは痛み止めで対処します。遠慮なくお申し付けください。
この時期は退屈でしょうから、暇つぶしの道具を用意しておいた方がいいかもしれませんね(笑)
よく見かけるのは、読書・クロスワードパズル・編み物あたりです。
排尿できたら退院OK。約99%の方は予定通り
膀胱の安静を保つために、バルーンカテーテル(おしっこの管)が留置されています。
術後4日目の朝に、このバルーンカテーテルを抜きます。
問題なく排尿できることが確認されたら、その翌朝に退院できます。
約99%の方が、大きなトラブル無く経過し、だいたい予定通りに退院できています。
ただし尿がなかなかスムーズに出ない(1%くらいの人に起こる)場合には、退院をもう少し延期した方がいいこともあります。
「便秘」と「痛み」は、この頃にはだいたい問題なくなっています(もちろん個人差はありますよ)
退院後初回の受診。みなさん日常生活はできている
退院したら、まず3週間後に受診していただきます。
この時の受診は、大きなトラブルが起こることはまずありません。
なにかあるとしたら、「排尿が落ち着かない」「尿が漏れやすくなった」など、排尿関係の訴えですね。
これは手術で膀胱が刺激を受けたり、膀胱が正常位置に戻って尿道圧迫が取れるのが原因です。
検査して、状況に応じて対処を開始します(膀胱炎の薬とか、過活動膀胱の薬とか、骨盤底筋体操とか)
日常生活は、みなさま退院後からだいたい問題なくできているようです。
ただし運動は、術後2か月間ひかえたほうがいいでしょう。
傷が治癒するまで、2か月くらいかかるからです。
退院後2回目の受診。完治して運動力仕事OK
この頃には、傷はほぼ全員治癒して、完全に戻の生活に戻っています。
運動や力仕事も、普通にやってOKです。
この時期になにか訴えが残っているとしたら、それはほとんど「排尿関係」です。
前回に引き続いて、適切な治療を行っていきます。
他の大半の皆様は、「スッキリした」とか言いながら帰って行かれます(笑)
その後はまず何も起こらない。
術後長期間(1年以上)たったらどうなるか?
これ以降なにかあるとしたら、「再発」くらいですね。
100人中1人くらいの確率で起こります。
これを0にするのが、現在の主要テーマの一つです・・・
赤木一成 骨盤臓器脱外科医師