今年唯一の学会活動。学会の雰囲気。10年の進化。今週の手術は7例

 

おはようございます。

辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科医師の赤木一成です。

 

週末なので、「一週間の骨盤臓器脱手術記録」を書きます。

患者さんを特定できないよう配慮して、数週間前の日常を描写しています。

 

子宮脱膀胱瘤の手術を7例行いました。

 

この週は、子宮脱+膀胱瘤の手術を7例行いました。

 

この手術、私+スタッフ(看護師)の二人で行っています。

毎日毎日、日替わりでいろんなスタッフが手術助手を務めてくれます。

みなさん訓練積んでて有能なので、快適に手術ができるんですよ。

 

今年唯一の学会活動です。

 

この週は、学会発表をしてきました。骨盤臓器脱関係の学会です。

シンポジウムの指名演者をおおせつかりました。

 

コロナ終息まで学会活動は自粛するつもりだったけど、今回はせっかくのご指名なので(ありがとうございます)、やらせていただくことにしました。

 

今年の学会活動は、これひとつだけの予定です。

いまは腕を磨いて、手術の実績を積んで、力を蓄える時期です。

コロナがあけたら、ふたたび学会活動を本格再開しましょう。

 

発表内容は「当院の骨盤臓器脱手術の進化」

今回の学会は、このご時世なので、web+学会会場のハイブリッド開催でした。

会場にいる人数は、いつもよりずっと少なくて、着席者もソーシャルディスタンスを守ってまばらです。

 

発表内容は・・・

「当院の骨盤臓器脱手術の進化」についてです。

 

当院が骨盤臓器脱手術に本腰を入れたのは、2010年からです。

今まで丸10年やり続けてきましたが、そのあいだに骨盤臓器脱手術は長足の進化をとげました。

 

初期には手術完了まで2時間半かかっていたのが、今では1時間ちょっとで済むようになり・・・

 

 

↑初期には大きいメッシュが必要だったけど、今では原則メッシュを使わずに治せるようになり・・・

 

 

↑穿刺(靭帯に糸を通す作業)も、初期には6か所必要だったけど、今では1~2か所で済むようになり・・・

 

↑子宮脱+直腸脱の症例も、初期には2回に分けて手術していたのを、一回の手術で両方治せるようになり・・・

 

初期には週2例だった骨盤臓器脱手術も、今では週7例できるようになっています。

(ほかの医師が担当する骨盤臓器脱手術も合わせたら、月~土までほぼ毎日やっています)

 

ちなみに「重度トラブル」や「再発」は、最初から少なかったので、このへんはあまり変わらないですね。

 

私はこの学会ではレアキャラです・・・(笑)

 

この骨盤臓器脱学会に参加してる医師の比率は、婦人科医+泌尿器科医で全体の99%を占めます。

私は大腸肛門外科出身なので、ここではレアキャラ(笑)です。

大腸肛門外科医はいつも2~3名しか参加してないので、ワタクシこの学会ではアウェイの存在です。

 

 

ワタクシいつもは、大腸肛門病関係の学会に出没しています。

この学会の雰囲気は、もうなんというか、「男の集団」なんです(圧倒的多数が男医)

イメージとしては、↑こんな感じです(ごめんなさい・・・)

 

そして骨盤臓器脱関係の学会は、女性の比率が高く、男医もワイルド系の人がおらず、なんというか「上品な感じ」がします。

大腸肛門関係の学会とは、だいぶ雰囲気が違います。

イメージとしては、↑こんな感じです(またまたごめんなさい・・・)

 

なんか問題発言してしまった気がしますが、学会の雰囲気をつかんでいただけたら幸いです・・・

 

婦人科医・泌尿器科医・大腸肛門外科医、それぞれ強みがあります。

婦人科医・泌尿器科医・大腸肛門外科医、それぞれ強みと弱みを持ってます。

 

婦人科医は、骨盤臓器脱に合併する子宮卵巣疾患の対応に強みがあります。

泌尿器科医は排尿関係に強いです。尿失禁とか、過活動膀胱とか、そんな状況への対応ですね。

われわれ大腸肛門外科医は、骨盤臓器脱に合併する直腸肛門疾患(直腸脱・痔核)とか、直腸瘤の対応に強みがあります。

 

そしてこの骨盤臓器脱学会では、それぞれの診療科の強みを持ち寄って、いろんな領域の勉強ができるんです。

これって素敵ですよね。

 

こんなタイプの学会って、他にはあまり無いように思えます。

参加者全員が外科医とか、婦人科医だけとか、泌尿器科医だけとか、大半の学会はそんな感じなんです。

 

赤木一成 辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科