骨盤臓器脱手術を受けて治ったら、快適な生活を送れるようになりますよ。

おはようございます。

辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科医師の赤木一成です。

 

今日は、「早めに骨盤臓器脱手術を受けた人」と「ずっとペッサリーを続けている人」の、快適度の差について、お話させていただきます。

 

 

「こんなに快適になるなら、もっと早く手術受けとけばよかった」

これって、骨盤臓器脱手術を受けた方の感想で、もっとも多いもののひとつです。

 

わたくしこれまでに、1400件を超える骨盤臓器脱手術を手がけてきました。

だから手術を受けた患者さんの様子を、1400人以上見てきています。

 

その一方で、手術を受ける決心がつかずに、延々と何年もペッサリーを続けている人も、何百人と見てきました。

 

はやめに手術を受けたAさんは、もう骨盤臓器脱のことを忘れて、快適な生活です。

 

はやめに手術を受けて、骨盤臓器脱が治ったAさんは、もう骨盤臓器脱のことを忘れています。

 

病院通いが不要となった。

退院後に何度か通院した後は、病院通いも不要となりました。

これからは骨盤臓器脱とは無関係の人生です。

 

おりものや違和感に悩まされることもなくなった。

ペッサリーも不要となるので、おりものや違和感もなくなりました。

子宮が出てこなくなって、温泉やプールにも行けるようになりました。

「旅行に行った」とか、「登山を始めた」とかで、人生に前向きになっています。

 

長期的には、ペッサリーを何年も続けるより、時間も費用も節約できた。

この快適な生活を得るために払った代償は、「一週間の入院」だけでした。

 

入院や手術はすべて保険診療で、しかも一定額以上は払わなくて済みました(参考:高額療養費の自己負担限度額シミュレーション

10年も15年もペッサリー交換で通院しているBさんより、結局は安上がりだったんです。

 

手術を受ける決心がつかないBさんは、いまだに骨盤臓器脱に悩んでいます。

 

手術を受ける決心がつかないBさんは、ペッサリーで対処することになりました。

 

でも一生ペッサリーって、無理ですよ・・・

 

すぐにペッサリーが脱落する。

重度の子宮脱とか、膣口が広い人では、すぐにペッサリーが脱落することがあります。

いろんなタイプのペッサリーを試すんですけど、それでもうまくいかない人がいるんです。

そのたびにいちいち受診しなければなりません。

 

おりものや出血や違和感に悩まされる。

ペッサリーを続けることができたとしても、今度はおりものや出血や違和感に悩まされる人が多いです。

ペッサリーが膣壁を圧迫して、粘膜がただれて、こんなふうになるんですね。

おりものに悩まされるBさんは、大好きだった温泉にもプールにも行かなくなりました。

 

将来歩けなくなったり施設に入所したら、ペッサリーを続けるのは大変。

そしてこれらを乗り越えて、15年間ペッサリーを続けたとしましょうか。

Bさんは85歳で、歩くのが大変になり、施設に入所しています。

 

それなのにBさんは、ペッサリー交換で定期的に通院が必要です。

そのたびに娘さんが仕事を休んで、1日がかりで病院に連れてきます。

長年にわたる、通院に要した費用(受診費+交通費)の総額は、すでにAさんより高くなっています。

 

そしていずれ、ペッサリーで押さえられなくなり、連れてくる娘さんも限界に達して、手術を希望したとします。

でもこの時点で手術を希望しても、持病の心不全が進行していて、手術を受けるには危険な状態でした・・・

 

どうでしょうか?

不愉快に思った方もおられるかもしれませんが、どっちもよくある話なんです。

 

赤木一成 辻仲病院柏の葉・骨盤臓器脱外科